志高塾

志高塾について
志高塾の教え方
オンライン授業
読み聞かせクラス
卒業生・卒業講師の声
受験結果
志高く
志同く
採用情報
よくあるご質問
お問い合わせ
体験授業申込 カレンダー
志高く

2026.06.16Vol.738 初体験×旅行ver.3

 約1か月前のブログ「Vol.733 初体験×旅行ver.2」を以下のように締めた。「アイスランド2日目、雪が降り積もった駐車場で車がスタックして1時間ほど悪戦苦闘したことを中心に話を展開するはずだったのだが、例のごとく本題にたどり着くことなく私の文章自体が空転した。」
 イギリスで電気自動車の充電に難儀したこと、アイスランドでスタックしたことを何人かに話したところ、異口同音に「チャレンジャー」という言葉をちょうだいした。確かに、日本で電気自動車に乗ったことも雪が積もったところを運転したことも無かった。ただ、イギリスにおける充電ステーションは日本と違い充実していること、また、アイスランドのレンタカーはどれもスタッドレスタイヤであることも確認済みであった。イギリスではスピード違反に気を付けること、有料区間が分かりづらいこと、アイスランドでは一般的なものに加えて飛び石の保険に入ること(舗装されていない道路がそれなりにあるため)、突風でドアが壊れることがあるので開け閉めの際には注意することなどについて調べていたので、「備えあれば憂いなし」の心境であった。
 さて、スタック。駐車場に入ると、「これじゃあ他の車が出すの大変やん」という位置に何台かの車が止めてあったので、私は迷惑を掛けないように少し距離を取って駐車しようとしたところ、ふかふかの雪の中に前輪を突っ込んだのだ。突っ込んだ、と表現したが、その瞬間を認識したわけではなく、車をバックしようとしたときに「あっ」となり、他の人がなぜあのような無茶苦茶な止め方をしていたのかを悟った。初めての経験であったため内心それなりに焦りはしたが(これに関しても、その瞬間にその後にどのような苦労が待ち受けているかを理解していたわけではなかった)、二男がいる手前、それを表に出すことはできなかった。正確には、誰かが見ていないひとりのときでも、落ち着いて対処することを日頃から心がけるようにしている。何かしらのトラブルが起こったとき、「もし、この慌てている姿を息子たちや生徒たちが見てたらどう思うだろうか?」というのを意識するようにしている。それによってある程度は冷静に行動できるため、問題の解決にもつながりやすい。一方で、失敗は積極的に見せるようにしている。誰も失敗などしたくはないが、意に反してうまく行かないことがあれば包み隠さずにできる限り見せる、というのが適切な表現かもしれない。簡単にまとめると、「大人でも失敗することはそれなりにあるし、でも、そのようなときにできる限り落ち着いて解決を図ろうとするのが大人だ」ということを息子たちの親として、生徒たちに接する先生として見せる必要があると考えている。たとえば、読解問題では本文にだけ目を通した状態で、解答を見ずに丸付けをする。志高塾では、選択問題は消去法で解かせて、正解か不正解かを伝える前にその理由をすべて説明させる。時に生徒と私の答えがずれ、しかも生徒の方が正しいことがある。あまりにもそのようなことが多いのは好ましくないが、少々の間違いぐらいではぐらつかないような信用を得ていることが大事だと考えている。自分で解いたときは間違えたのに、あたかも最初から分かっていたような顔をして解答を見ながら解説をするだけでは役割を果たしたことにはならない。
 さてさて、スタック。既に述べたようにそこから抜け出すのに1時間を要したのだが、私はそのほとんどを前輪周りの雪を取り除くことに、二男はタイヤの下にかます石を探すことに費やした。雪が積もっている中で適当なサイズの石を手に入れるのは大変な作業である。そのようなものを見つけても、転がっているわけではなく地中に埋まっていたので、二男は手元にある石をトンカチ代わりにして掘り出さなければなかった。後から振り返ると、そのときの二男は非常に頼りになった。きっと、3人の息子の中でそのような働きができるのは二男だけだろう。何をするかを理解した上で行動も伴っていたからだ。四字熟語を充てれば、臨機応変 当意即妙といったところだろうか。瞬間的な対応できれば、時に人から「機転が利く」といったような評価を得られるのだろうが、それに満足するのではなく、日頃から時間を掛けて、読書をするなどして広く知識を得て、深く考察をするという訓練を重ねて欲しい。それによって、その機転が利く、という強みがより生きるようになるからだ。そのことはまだ二男に直接伝えてはいない、折を見て話をしようと考えている。
 さてさてさて、スタック。必死になって前輪周りの雪を除いたところ、タイヤがどれぐらい地面から浮いているか、また、駐車場のへりまでは右の前輪の方が断然近くにある、ということが分かった。石をかましてもうまく行かず、我々が格闘しているのを見つけた女2人、男1人の外国人3人組が助けに来てくれた。1人の女性に運転席に乗ってもらい、もう1人には指示役をお願いし、彼と我々親子の男性3人で押していた。それでもだめで、それを見かねた若い男性が1人そこに加わり、とにかく右の前輪が駐車場のコンクリート面に乗るように、真っ直ぐ後ろにではなく、右のヘッドライトの方に4人で固まって力を合わせたところどうにか抜け出せた。もちろん、その後はみんなでハイタッチである。もし、誰もいないところで同じような状況に追い込まれていたら、保険会社につたない英語で伝えなければいけなかった。そんなことを想像すると、冷や汗どころの騒ぎではない。
 今は高1の二男。中2の終わりに親子大喧嘩をして、そこから約半年間挨拶以外の言葉をまったく交わすことが無かった。そのようなことも旅行中のトラブルも無いに越したことはない。雨が降らなくても地を固めることはできるが、折角そのようなことを経験したのであれば、その分と言わずに、欲張ってその分以上に固くしたくなる。この前の土曜の夜、その二男がドアをノックして珍しく私の部屋に入って来た。サッカーがそれなりに強い公立高校に入学したのだが、1年生が20人以上いる中で3人だけトップチープの公式戦のベンチメンバーに入れることになり、その1人に選ばれたことを伝えに来たのだ。翌朝妻から聞いたのだが、「パパには自分で報告するから、ママは言わないで」と口止めされていたらしい。
 息子たちにとっても生徒たちにとっても、何か良いことがあったときに知らせたくなるような、何か困ったことがあったときに相談したくなるような、そんな人でありたい。

PAGE TOP