
2026.04.07Vol.729 資料読解 ~主にアイスランド編~
昨日帰国した。ブログをアップする当日の時点で一字も書けていないのは、少なくともこの一年ではなかったはずだ。というのも、向こうでちょこちょこと書き留めておく予定にしていたのだが、私のパソコンを二男に使わせていたためそれができなかったのだ。もちろんやる気になれば空いているときにいくらでもできたのだが、ただ気が向かなかった、というだけの話である。その分、ブログの材料集めのために頭の中でいろいろなことに思いを巡らせていた。
アイスランドでは、首都のレイキャビクから1時間以上離れたある町で全3泊したので、コンビニのようなものはもちろん無く、食料品が手に入るスーパーは車で30分以上も掛かるところにしかなかった。そのため、買いだめをすることになったわけだが、そうなると帰国の際に捨てざるを得なくなる食料品がそれなりに出てきてしまう。また、今回の旅行の最初の目的地であったロンドンでは、キッチン付きのコンドミニアムに宿泊していたため、調理に最低限必要な油と塩、サラダを食べる際に使うドレッシングを現地で手に入れ、塩とドレッシングはアイスランドまで持って行ったのだが、それらも最終的には廃棄した。若い頃であれば、もったいないので少々重くても持ち帰ったのかもしれないが、さすがにそんな気にはなれなかった。
志高塾には、主に中学生以上の生徒が取り組む「資料読解」というテキストがある。エネルギーに関するものであれば、日本の発電量の内訳の変遷や、諸外国と日本の電力自給率が比較された資料などが与えられ、それらを読解した上で、そこから言えることをまとめたり、具体的な改善策などを提案させたりするのだが、フードロス、プラスチックゴミの排出量、インバウンドの3つもその中で取り上げられている。外国人観光客が日本から出国する際にスーツケースやキャリーケースを空港などに大量に置き去りにしていることが時々ニュースで報じられているが、旅行関連で発生するゴミというのはかなりの量に達するのではないだろうか、ということを今回の旅行を通して初めて考えた。「かなりの量」というのは実に抽象的な表現ではあるが、それを改善することは環境問題にとってそれなりにインパクトがある、という意味で用いた。まあ、「それなりに」自体も抽象的ではあるのだが。特に「資料読解」に取り組んでいる生徒たちには次のようなことを繰り返し伝えている。「わざわざ志高塾に来て作文をしているのだから、とりあえず提出をすれば良い学校のそれとはまったく意味合いが違う。書き上げることがゴールではなくスタートなのだ。これを機に、その社会問題に興味を持ったり、さらに掘り下げたりして初めて作文をしたことの意味が出る」。これまで生徒たちに偉そうに語っていただけのことはあって、それを自然と実践できたことに少なからず納得している。
旅行におけるゴミの問題に話を戻すと、初めに思い浮かんだのはそれをビジネスにできないか、ということ。捨てずにリサイクルするということである。元々捨てられるものであったので、ただ同然で買い取る。空港でのお土産購入の際に使えるディスカウントチケットのようなものと交換しても良いかもしれない。そして、それらを入国した旅行者に安値で提供する。私が日本人ということもあるが、商品が清潔かどうかは非常に重要になる。クリーニングなどの手間を考えると大して儲からないのだろう。もし、本当にインパクトがあるのであれば、地球温暖化ガスの排出規制のように地球全体で抱えている環境問題と捉えて、世界を挙げて取り組んで行くべき課題として事業者に補助金を出してでも解決に向けた対策を施す必要がある。また、ロンドンのスーパーには私が見た限り、塩も油もドレッシングも量の多いものしか置いていなかったため、せめてキッチンが付いている宿泊施設では、必要最低限の調味料に関して有料無料はさておき小分けにしたものを置くことを義務付けるなどすれば、私のように1, 2割だけ使用して、そのほとんどを捨てることは防げる。この段落で述べてきたことは他愛もないものである。自己弁護をするわけではないが、自らが経験したことに対して、些細なことでも良いので自分なりに考えていくことが重要である。ちりも積もれば山となるではないが、そういう小さな積み重ねがアイデアと呼べるレベルのものを生むことにつながる。
また、昨日、先に述べた日本のエネルギー問題に取り組んでいる高三の生徒がいたので、火にかけたばかりのおでんのように、まったく味がしみ込んでいないにも関わらず、考えたばかりのことを嬉々として披露した。それは以下のような内容であった。「原発の事故や、今回のホルムズ海峡封鎖のように何か問題が起こるたびに、日本は新たなエネルギー源を探そうとするが、そうやって簡単に見つかるものではない。たとえば、アイスランドは電力の約3割、熱供給の90%以上を地熱で賄えている(数字が頭に入っていたわけではないので、その場で調べた上で具体的な数字を伝えた)のだが、それは既にあるものをどう利用しようかと考え続けた結果だ。それらを踏まえると、現状、日本は原子力発電をより安全に運用する、ということしか選択肢が無い気がする」。そう言えば、経済産業省が先月、2027年度から大規模太陽光発電所(メガソーラー)の新設に対する固定価格買取制度(FIT/FIP)などの導入支援を終了することを発表していたが、思い付きでエネルギー政策がうまく行くはずがない。
もし、この2週間の旅行を通して、感じたこと考えたことの鮮度を保てるのであれば少なくとも後3回ぐらいはそのことについて書ける。「マツカゲ武者」も1か月で随分で腕を上げたが、まだ私の書くことの方が面白いはずだと信じている。「五十歩百歩」、「どんぐりの背比べ」という慣用句を思い浮かべられていないことを願いながら旅行記第一弾を終えることとする。








