
2026.02.20社員のビジネス書紹介㉙
三浦のおすすめビジネス書
鈴木義幸 『承認(アクノレッジ)」が人を動かす』 ディスカヴァー・トゥエンティワン
前回ここで取り上げた、「コーチングが人を活かす」の著者の本だ。
承認、アクノレッジ。それは単に相手を評価するというのではなく、相手に「自分はここにいてもいい」と思ってもらうことだ。承認されることの安心感は想像できるが、それが人という「社会で生きる動物」にとって、自分が仲間の一員と認められないことは死を意味しているから、というのは納得がいった。集団で生きることが基本の人間にとっては、「存在が認められない」こと自体が多大なストレスになるのだ、と。だから相手の存在を承認し、安心感を与えることが大切なのだと。
生徒に対して然り、他の講師に対して然り、「相手がいてくれて嬉しい」というのはごく当然の感情として常に存在する。しかし、それをうまく伝えられているかというとそうではない自覚もあった。例えば「相手の結果を褒めるのではなく、相手の過程を評価する」「相手の行動をまずは観察し、それについて言葉にする」というのは、生徒に対してよく行っていることだ。ただ、本書には「相手がどう言って欲しいのかを考える」とあり、当たり前のことなのに、そこに思いが至っていなかったことに気が付いた。本書で取り上げられている例を見ていると、それは言葉の面でもあり、そして伝え方の面でもあると思った。目を見て、ゆっくりと、相手に心が伝わるように話す。私は多分、大切なことを話すことに慣れていない。もっと練習する必要がある。
また、「YouではなくIで承認する」、つまりは相手がどうしていたかだけでなく、「相手の行動が自分にどう影響を与えたか」を軸に評価するほうが、相手にとってはより大きな承認となることが多い、という内容もあった。思っていることは同じでも、伝え方や視点によってまったく受け取る印象が違う。文章を書く際には意識しようとしていても、話すとなるとすっかりそんなことが頭から抜け落ちてしまう。無意識にできるようになるまでは、やはり、練習あるのみなのだろう。
徳野のおすすめビジネス書
ジョン・ムーア 『スターバックスはなぜ値下げもCMもしないのにずっと強いブランドでいられるのか?』 ディスカヴァー・トゥエンティワン
志高塾の、特に国語の授業料は高いと思う。最近強く実感させられたのが宝塚音楽学校付属の「宝塚コドモアテネ」の月謝を知ったときだ。月額15,000円で毎週日曜に約5時間、声楽とバレエと日本舞踊の3科目の指導を受けられるとのことだ。一方の我々は週1回90分の授業で(現在は)26,000円をいただいている。コドモアテネの生徒には稽古着や教材などのために別途の出費も求められるはずなので、トータルで見れば毎月の支払いは15,000円では済まないだろうが、志高塾に通い続けるにはトップスター候補になるよりも多くのお金が掛かるかもしれないのだ。ただ、そういう風に表面的な数字ばかり比べていても明るい気分にはならない。(現時点で)26,000円という金額に対して、保護者様と講師の両方にとっての納得感を生むために必要な視点を学んでおくことにする。
スターバックスがコーヒーの価格を高めに設定しているのは、使用する豆の品質を維持するである。それが象徴するように、提供する商品とサービスそのものへのこだわりを第一に考えていることが同社の競争力の高さに繋がっている。当たり前ことをしているだけのように思えるかもしれないが、米国に本拠地を構える他のチェーン店は「低価格」と「大規模なプロモーション」を基本戦略としており、それらはスターバックスが意図的に避けている方向性である。バーゲンセールやキャンペーンを多用しての薄利多売と、実態から乖離したブランディングは、ひどい場合は1週間も経てば現場の士気低下と売上の減少に終わることが多いからだ。長く愛される企業になるためには、消費者の目先のニーズに最適化するだけでなく、顧客の「ウォンツ」を叶えなければならない。ウォンツとは癒されたり好奇心を刺激されたりするような「より良い状態」への願いを指しており、スターバックスは、清潔な店内で多彩な産地から取り寄せた本格的なコーヒーを味わいながら人と触れ合う「エクスペリエンス(体験)」を提供することで実現を目指す。そして、理想主義的であるのと同時に、顧客からの要求を受けた際には、それが会社の理念に沿っていると判断すれば慣習を変える柔軟性も大切にしている。例えば、イタリア式の伝統的なカフェラテは必ず有脂肪乳で作られるものの、カロリーへの意識が高い都会の住人の中には無脂肪乳への変更を希望する人も少なくなかった。こだわりの強い(悪く言えば排他的な)バリスタなら断ってもおかしくないオーダーだが、スターバックスは米国の大企業らしくカスタムの一種に組み込むことでリピーターの幅を広げてきた。
学習塾が提供するのは形の無いサービスだが、それが「エクスペリエンス」の域に達しているかどうかを決めるのは生徒と保護者である。また、学生にとってのニーズとは入試を含むテストの点数になるだろう。だからといって、高校生相手を例にすると、模試の成績や大学名を元に何となく決められた志望校対策を漫然と行っていては貧相な経験しか生まれない。AIが勉強の相棒になる時代にわざわざ教室に足を運んだり、オンライン上で講師と対話したりするのだから、一人ひとりに対してまずは「あなたは高校卒業後に何をやりたいのか、どうありたいのか」という根本的な問いに一緒に向き合える場であることは、志高塾の魅力となる「カテゴリー」だと確信している。
竹内のおすすめビジネス書
今井孝 『いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才』 すばる舎
何となく時間に追われているような気がして焦ることも、こんなに時間があったのに何もできなかったと落ち込むことも、自分の日常には多々ある。1日を生きることの下手さには我ながらうんざりする。そういう日々を立て直すために、まずは「2時間」を丁寧に見ていくことから始めたい。その切り口は色々ある。
まず、日々を過ごす中で自分を満たしてくれるものは何か。それがある1日と、ないまま終わってしまう1日では充実感は大きく異なる。もちろんそれがいつも同じことである必要はなく、むしろたくさん引き出しがある方が、良い一日だったと感じられることも増える。自分をケアするための時間を生み出す、そのためにもまた何に2時間を使っていくのかを考えていかなければならない。スケジュールの見直しに2時間かけることも、そこで集中してこれと決めたことを終わらせることも一つである。
また、かけた2時間をきちんと評価することも、継続していくためには欠かせない。成果物という形になったものがなかったとしても、それをゼロと片付けてしまうのか、構想は練られて20%くらいは進んだと取るのか、そこを正確に捉えることで、翌日に何から着手すべきなのかも明瞭になる。ゴールに向かって道を進んでいるという自覚がないと、状況を確認する意識は薄れてしまうのだ。私はそのようなマイルストーンを置き忘れてしまいがちだし、もっと言えば置けるような時間の使い方になっていない。まずは頭の中に浮かべるだけでなく、それを言葉にして残す時間を作ることとする。








