
2か月前に始めた社員のブログ。それには主に2つの目的がありました。1つ目は、単純に文章力を上げること。そして、2つ目が社員それぞれの人となりを感じてとっていただくこと。それらは『志高く』と同様です。これまでXで投稿していたものをHPに掲載することにしました。このタイミングでタイトルを付けることになったこともあり、それにまつわる説明を以下で行ないます。
先の一文を読み、「行います」ではないのか、となった方もおられるかもしれませんが、「行ないます」も誤りではないのです。それと同様に、「おなじく」にも、「同じく」だけではなく「同く」も無いだろうかと淡い期待を抱いて調べたもののあっさりと打ち砕かれてしまいました。そのようなものが存在すれば韻を踏めることに加えて、字面にも統一感が出るからです。そして決めました。『志同く』とし、「こころざしおなじく」と読んでいただくことを。
「同じ」という言葉を用いていますが、「まったく同じ」ではありません。むしろ、「まったく同じ」であって欲しくはないのです。航海に例えると、船長である私は、目的地を明確に示さなければなりません。それを踏まえて船員たちはそれぞれの役割を果たすことになるのですが、想定外の事態が発生することがあります。そういうときに、臨機応変に対処できる船員たちであって欲しいというのが私の願いです。それが乗客である生徒や生徒の親御様を目的地まで心地良く運ぶことにつながるからです。『志同く』を通して、彼らが人間的に成長して行ってくれることを期待しています。
2023年12月
2026.01.23社員のビジネス書紹介㉘
三浦のおすすめビジネス書
鈴木義幸 『新 コーチングが人を活かす』 ディスカヴァー・トゥエンティワン
まず印象的だったのは、自分自身へのコーチングともいえるマインドセットについても都度触れていることだ。コーチングとは用意した答えに相手を導くのではなく、「相手なら何かを見つけ出せる」と信じて問いを投げかけ、一緒にその答えを深めていくものだとしている。その「問い」は、自分自身に投げかけてもいい。例えば対人関係で悩んでいるのであれば、その気になっている相手に対する質問をいろいろと考え、その人になったつもりで答えてみる。これによって相手の立場に立つことができる、というものだ。目標設定に関しても、漠然としたところから質問を重ねることで少しずつ具体化していき、最終的にはそれをもう一度抽象化するという流れを、一人で行うこともできるのだ。もちろん、誰かと対話しながら行う方が理想的ではあるだろうし、それがコーチングなのだろうけれど。
また、生徒とのやり取りにも通じるところがあった。どうしても答えやこちらの考えを先に言ってしまいたくなるものでもあるが、そうではなく、まずは相手の力を信じて、切り口を変えながら問いかけを続けて行くことが大切だ。とはいえ、それは相手に丸投げすることではない。指導の際には、自分なりにある程度の見解を持っておきながら、相手が自分の力で何かに辿り着くのを最優先させる。自分の思う何かがたったひとつの答えではない、その当たり前のことを肝に銘じておきたい。
最後にもう一つ。どうしても行動を習慣化できないと悩んでいたのだが、本書でそれは「行動の過程を考え、その苦労を想像していやな気持ちになっているのが原因」、「過程ではなく結果を思い浮かべるといい」と述べられていた。まさかコーチングの本で出会うとは思わず、だからこそ印象深かった。
竹内のおすすめビジネス書
杜師康佑 『超凡人の私がイノベーションを起こすには』 日本経済新聞出版
これが「タイトル買い」というものなのだろうか。
革新とは一握りの天才によるひらめきで起こると考えられがちである。いや、アイデアが出てこない自分に対して、そういうものだと思いたくなってしまうというのが正しいかもれない。しかし日経新聞で長くビジネス関連の記事を書き続けてきた著者にとっては、社会を変えていく新しい製品やサービスは、降って湧いてきた発想によってではなく、挑戦と失敗を繰り返して誕生するものなのである。本書では、これまで取材した数々の企業の実践例を取り上げるのはもちろんのこと、仕事と並行して慶應の大学院でシステムデザイン・マネジメントを学んだことを活かして、その裏側にある理論を分析している。実例に触れて「そんなの浮かばないわ」に留まるのではなく、どのような見方、考え方がヒントを引き寄せるのか、反対に、自分や組織の抱えている課題が何かを探っていく指針になる。
本当に多くの例が登場しているが、RIZAPが展開している「chocoZAP」について取り上げた章で述べられている「まずはやってみる」という考え方は、行動になかなか移せない自分が改めて取り入れなければならないことである。「コンビニジム」という、他のフィットネスジムにはない面が売りである。フィットネス以外に何が求められているかというのを模索し、社員たちの提案したものをまず置いてみる。残らなかったものの方が多いのだろうが、セルフネイルや脱毛ができるというのは「とにかく出してみる」という段階を踏んでいることによる。PDCAサイクルのC(check)を充実させるために利用者アンケートも積極的に行っており、そのためにPlanとDoをできる限りスピーディーに進めるというのが徹底されている。何となくではなく目的を持ってサイクルを回すことがやはりアイデアを生み出すきっかけにもなりえるのだ。
徳野のおすすめビジネス書
辻太一朗/曽和利光/細谷修平/矢矧春菜 『採用一新 さらば!ガクチカ頼み』 株式会社日経BP
講師の採用面接の時間が迫るといつも憂鬱な気分になる。他者の人格をテストするような行為じたいに(今でも)気が引けるし、30分近く色々と話し込んだ相手を場合によっては落とさないといけないからだ。加えて、そもそも「良い人材」を見極める基準や方法が自分の中で明確になっていないのも不安の種だ。他の社員による面接に同席した機会は何度かあるものの、それの「見よう見まね」のような状態でここまで来てしまった。一教室の責任者としてそれでは流石にまずいと感じて手に取ったのが今回の一冊である。
4人いる著者たちは皆、リクルート社の「学ポタ」推進委員会のメンバーである。この「学ポタ」、正式名称は「学業場面に表れるポータブルスキル」は、新卒の就活でよく取り沙汰される「ガクチカ」、つまり「学生生活で力を注いだこと」に対置される概念だ。日本の大学生は欧米や中国の若者と比べると入学後の勉強量が少なく、国際競争力で引けを取る一因になっているという言説を耳にするが、それは企業による採用のあり方が生んだ構造的な問題である。インターネット経由の応募が一般的になって以降、膨大な情報処理を求められるようになった企業は、エントリーシートと性格適性テストを用いて効率性を追求し始めた。その影響で、大学での専門研究よりも親近感の湧くサークル活動やボランティア、アルバイトでの経験が注目を受けやすくなった。また、就活生側も短い時間で採用担当者に強い印象を与えることを目指して「伝え方」を洗練させる方に重きを置くようになり、エピソードの脚色も横行し出した。すると、演出力のある応募者に有利な状況が作り出されることになるが、その現状は学生たちの内に「自分の事を正直に語っても選考に通らない」という先入観を植え付けているだけでなく、人材のミスマッチを防ぎたい採用担当者は相手が語る内容の真偽を見極めることに注力するようになった。互いに心理的負担が大きいのだ。
そして、「学ポタ」は就活に関わる不信感を軽減するために考案されたシステムである。採用の確実性を高めるための着目するべきポイントは「定量的な成果」と「思考の一貫性」であり、それを測る上で学業の成績は最適な素材となる。さらに、GPAなどの数値化された「結果」だけではなく履修科目の内容や単位の取得難易度も可視化することで、学生の知的好奇心の方向性や目標に対する計画性を浮き彫りにしやすくなる。それらは仕事の現場で生きる素質だ。さらに、企業側が信頼に足るデータを求めることは若者たちへの「メッセージ」にもなるので、学生たちの間に「まずは腰を据えて勉強するべきだ」という価値観を浸透させる効果も期待できる。
個人的な話に戻るが、本作を読み始めてから学生講師との面接が2件あった。緊張は相変わらず襲ってきたものの、受験に関して「なぜ、今通っている大学と学部に決めたのか」、第1志望校と縁が無かった場合は「自身の受験をどう振り返っているか」を教えてもらうことの狙いをきちんと把握した上で臨めたのは一つの収穫だ。あとは、19歳の若者たちの具体的な夢についてあれこれ掘り下げるのは純粋に楽しかった。








