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2026.04.14Vol.730 無意識ときどき不思議な縁

「先生、髪型が…お若い!!」
「ありがとうございます。髪型は!」
「髪型も」

 このやり取りは、私の投稿を見た元生徒のお母様Tさんとの、Facebook上のコメント欄における最近のものである。今調べてみると、開塾したひと月目に当たる2007年4月に体験授業に来られ、お子様の通塾期間はわずか1年程度だったのだが、その後も付き合いは途切れることなく、1年1回ぐらいのペースで顔を合わせていた。この5年ぐらいは会えておらず、上のように言葉を交わしたことすらこの3年間は無かったはずである。旅行について書きたいことは山ほどあり、忘れないうちに文章にしておきたいのだが今回は別のテーマを扱う。
 USJの経営を立て直したことで一躍有名になった森岡毅の本について、以前、それなりの字数を割いて触れた。飛ぶ鳥を落とす勢いだったのだが、2024年3月に開業したイマーシブ・フォート東京は2026年2月にわずか2年で閉じることとなり、話題を集めた沖縄のジャングリアも苦戦していることが伝えられている。それに加えて、マーケティング会社「刀」の創業メンバーで、腹心でもあったCFO(最高財務責任者)が電撃辞任したことが数日前にニュースになっていた。ジャングリアの資金集めに相当苦労したことを著書の中で吐露していたが、それに一番尽力した人を失ってしまったのだ。批判的な評判をよく耳にするジャングリアにも、できれば今年中に一度訪れて実際に体感してみたいと考えているぐらいなので、ここで森岡毅や「刀」について、ネガティブな評価を下したいわけでない。ただ、YouTubeで偶然流れてきた、それなりに名を知られているらしい若手社長が語っていた否定的な意見に対して、それは確かに、となった。森岡毅はマーケターとして丸亀製麺に関わった。他のチェーン店でよくあるように、工場でまとめて作って冷凍したものをただ温めて出すのではなく、店舗ごとで手打ちをしているという独自性をアピールするために、外からも見えるようにガラス張りにしたことなどでV字回復させた、と本の中で成功事例の一つとして誇らしげに語っていた。当事者たちは当たり前のこととして気づいていない強みを見つけ出して、それをどのように活用するか、という一連のプロセスに私は共感したのだが、その社長が、「あくまでもマーケターとして関わっているだけなのに、すべて自分の手柄にしてしまうところが森岡さんの良くないところ」という指摘していて、それは一理あるな、となったのだ。
 志高塾の影も形もなかった20代後半、独立したいという思いは募る一方なのに、肝心要の何をするかを見つけられていなかったこともあり起業関連の本を読み漁っていた。その中で美容と教育は成果が出なくても責任が問われづらい、というようなことが書かれていたことは印象的であった。「同じようにやって、他の人(他のお子さん)はうまく行っているので、あなた(あなたのお子さん)に問題があるんじゃないですか」と開き直りやすいというのがその理由であった。要は、因果関係が分かりづらいのだ。その考えに膝を打ち、志高塾を始めたわけではないということを念のために断っておく。このことについて触れたのは、その逆もまた真なり、ということを伝えたかったからだ。「志高塾のおかげで子供が成長できました」という嬉しいお言葉をいただくことがあるのだが、子供なので放っていても勝手にできることは増えていく。もし、生徒本人が「志高塾で学んだから」ということを意識することで、それが自信につながるなどプラスに働くのであれば大いに結構であるのだが、そうでなければ志高塾が表に出てくる必要はどこにもなく、彼らが知らないうちに彼らの人生を切り開くことに貢献するのが我々の果たすべき役割なのだ。
 例のごとく前置きが長くなったが、中1の終わりの3月に入塾し、3年間と少し通い高2の7月に辞めたN君がこの春の大学受験を終え、その報告を兼ねてわざわざあいさつに来てくれた。電話をもらえることすら期待していなかったので、それだけでも十分嬉しかったのだが、彼の口から「志高塾で学んだおかげで」という言葉が会話の中で飛び出したので、そのまま真に受けてありがたく受け取ることにした。優に30分以上は話したのだろうが、その中で「やっぱ、おもろい奴やな」と感心させられるようなことが何度かあった。たとえば、「大学入ったら何したいん?」との問いには、勉強以外の話が出てくることを予測していたのだが、間髪入れずに「本格的に物理学を学びたいです。高校の物理だと、なぜそうなるのかを知りたいところがきちんと式で説明されずに、『ここはこういうもんだから』と暗記させられるのが嫌でしょうがなかったです」という答えが返ってきた。ちなみに、そのうやむやにされた部分に関しては、なぜそうなるのかを自分で調べて勉強していたとのこと。高校1年の夏休みに1か月間のイギリス留学から帰ってきた後は、「大学なんか行かずに、バンドマンになる」と真剣に語っていたぐらいなので、一般的に想像される真面目な学生、というのとは随分と異なる。あまりに話が興味深かったので、「HPに『卒業生の声』というのがあるねんけど、それにコメント載せてくれへん」というお願いをすると、「えっ、良いんですか?」とその場で快諾してくれた。先週末に400字程度の原稿が上がってきて、現在、修正をお願いしているところである。さらには、その大学に入ってから学びたいことが既に明確になっているところが素晴らしかったので2,000字程度のロングバージョンの依頼もしてはいる。こちらに関しては実現するかは定かではないが、そのように考えていた高校生がいるということを少しでも多くの人に知ってもらいたい。
 TさんとN君とのやり取りはいずれも旅行に行く直前のことだったのだが、よくよく考えてみると、N君のお母様はTさんに紹介されてお子様を連れてこられたのだ。よく「不思議な縁」と言うが、世の中に不思議でない出会いなど存在しない。「偶然の出会い」が「不思議な縁」に昇華するためには、それなりにポジティブな意味合いを帯びる必要がある。「不思議な縁があった」と思っていただけるような塾でありたいが、そんなことは本来どうでも良いことであり、先に述べたように、志高塾で学んだ子供たちの未来を切り開くことに少しでも貢献することこそが我々の使命なのだ。

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