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2021.07.06Vol.501 もう1つの宗旨替え

 一昨日の日曜日、2回延期になっていたセミナーをようやく行うことができた。気楽に参加していただいた親御様の期待を見事に裏切り、実際に問題を解いていただくことにほとんどの時間を費やす結果になった。事前に案内していたものとかなり異なった内容になり、だまし討ちのようになってしまったことを詫びなければならない。申し訳ございませんでした。一方で、それによって何かしら伝えられたのでは、と都合の良い解釈をしている自分がいる。参加者のお母様からは、セミナーのタイトルを「親のための体験授業〜読解編〜」にすれば良かったのでは、というアイデアをいただいた。今回参加できなかった方を対象に、西宮北口校や豊中校で少人数向けに開催するか、もしくはweb上で行うかなどを探って行き、遅くとも9月には何かしら実施できるようにしたい。それに関しては決まり次第、HPの「志高塾からのお知らせ」欄にて告知する予定である。文章を書くことは自分の頭の中にぼやっと存在しているものに輪郭を与えることにつながるが、セミナーの資料作りも同様である。これまで3年に1回ぐらいのペースでしかそのようなことをしてきていないので、新鮮さも手伝って随分と思考が整理されたような心地良さがあった。アンケートで、「また何かしらのセミナーがあれば参加したい」というお声をいくつかいただいたので、次回は「親のための体験授業〜作文編〜」にしようかな。
 さて、本題。Vol.493で、『世界最高のチーム ~グーグル流 「最少人数」で「最大の成果」を生み出す方法~』を読み、社員各人に3つずつ提案をしてもらい、遅くとも6月29日までにここで発表すると約束したものの1週間遅れてしまった。私の手元にはあったのだが、どのように扱うかを決めかねていたからだ。当初の予定を変更して、豊中校を任せている6年目の社員の冒頭部分のみここで紹介する。

 志高塾は一つの大きなチームである。西北・豊中・高槻の3校があり、それぞれ曜日ごとに勤務しているメンバーが異なる。つまり各曜日を一つのチームとみなすことができ、その日に入っている社員が「マネージャー」の役割を担っている。『世界最高のチーム』では、生産性の高いチームの一番の特性として「心理的安全性」が担保されていることが挙げられている。社員それぞれが背中を預け合って仕事をしていれば、その他の社会人・学生講師も当然安心して疑問点や意見を出すことができ、それによって我々が大切にする理念を共有することが可能になる。志高塾で言えば「より良い教育をする」がそれにあたる。この抽象的な概念を共通のものとして持ち、社員それぞれの中できちんと具体的なイメージとして存在させて授業の場面で同じ目的のために行動できるという状態が理想である。そのように社員たちの足並みが揃っているからこそ、価値観を全体に浸透させていけるようになる。

 これを読んだとき少し成長を実感できて嬉しかった。どうにか期限に間に合わせるべく、本の中で述べられていることをマイナーチェンジした薄っぺらいものが3つ並べられただけで出てくることも想定していたからだ。具体的な提案をする上で、このように位置づけを考えるところから始めることはある種当たり前のことなのだが、それができていることには一定の価値がある。3つの提案自体も骨のあるものになっていた。ただ、具体的な内容であり補足の説明がかなり必要なため、ここでは割愛することにした。なお、各人から出されたものの中からいくつかをピックアップして実践に移すべく、現在、週1回の社員会議で話し合いを重ねている最中である。
 最近になって、これまで社員を全然育てられていなかったことに気が付いた。育っていないということではなく、伸びるに任せているだけで私が積極的に関与できていなかったのだ。社員第一号は、開塾時に私を大いにサポートしてくれた女性である。彼女がいなければ、そもそも志高塾自体が存在していなかったかもしれない。当時、私は国語の教え方など何も分かっていなかったからだ。彼女には少なくとも5年以上の社会人経験があり仕事ができたので、やりがいなども含め少しでも彼女が働きやすい環境を整えることが私の役割であった。そうすれば、指示を出さなくてもやるべきことをやってくれたからだ。しかし、現在の社員4人のうち3人は新卒で加わり、もう1人も他社で2年弱働いただけなので第2新卒みたいなものである。自分で考えてどうにかしてくれ、では私は育てるという責任を放棄しているに等しい。私が彼らをもっと成長させられれば、生徒への貢献度、ひいては親御様の満足度も上がり、当然のことながら彼らはやりがいを感じられる。雇用主としてはそれで終わりではなく、活躍に見合った待遇を用意する必要がある。
 大好きな果物がスイカからメロンに変わるというようなレベルではなく、肉食がベジタリアンになるぐらいのことを持ってしてそのように言うのであろう。宗旨替えの話である。社員教育に関しては、私自身にそれぐらいのマインドチェンジが必要な気がしている。

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