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2019.07.09Vol.405 three stories of 作文の続き

 1つ目の話。この9月からカナダに行く中2の男の子が「ほんとやったら夏と冬の年2回帰ってくんねんけど、1年目は向こうで年越しする」と話すので、不思議に思い「なんでなん?」と聞いた。戻りたくなくなるから、とのこと。前回でひと段落したはずが、もう少し「中二病と五月病」の続き。
 彼が言うには、去年、同じ学校から5人が海外の現地校に入学したが、そのうち年末年始に帰国した生徒は2人共、親が無理やり飛行場に連れて行かないといけないぐらいに日本を再び離れることに抵抗したらしい。その話を昨年の9月からニューヨークに行っている高一の女の子に話すと「めっちゃ分かるー」と返ってきた。その子に関しては、帰国する1か月前ぐらいから毎日カウントダウンをするほどの重症で、残り日数を教えてくれるアプリをひどいときには1日30回チェックしていたとのこと。今、そのことを笑って話せるので、彼女も成長したのだ。
 9月入学でも上のようなことになるのであれば、9月入社の私のアイデアはある意味では間違えていたことになる。ただ、条件が違う。社会人か学生か。日本か海外か。中2の彼は「1年間乗り切れば、夏に帰国しても向こうに帰りたくないとはきっとならないはず」と語っていた。Vol.403「中二病と五月病 今度こそ」で「初めての大型連休は年末年始にやってくる。それまでの4か月間を、緊張を切らさずにどうにか乗り越える。」と述べた。いろいろな条件によって帰郷するまでの適切な期間は変わるが、「乗り切る(乗り越える)」ということに注目したのはそれなりに正しかったんだな、と一人納得した。
 2つ目の話。「ブームは善か悪か」について作文した高一の男の子がいた。そのやり取りの中で「先生、どのレベルまで行けばブームと言えますか?」と尋ねてきたので、その一例としてカバンを挙げた。「ノースフェースなんてあちこちで見かけるし、女の子がよく持ってるアネロもそうやな」となった。翌週、その生徒が来た時に「先週、教室出た途端に、アネロ持っている人に出くわしました」と嬉しい報告をしてくれた。私もそれまで以上に注目するようになった。ポーターのようにロゴが入った布を縫い付けているパターンのものしか見たことがなかったのだが、カバンの生地に直接プリントされているものも意外と多いことに気づいた。ちなみに、その彼のカバンも、上の2つとは違うもののよく目にするブランドだったので「それもみんな持ってんな」と突っ込むと「いや、そんなことはありません」と全力で否定していた。
 最後の話。先週末にコンビニのレジ袋有料化の記事をネットニュースで見かけて「おっ」となった。今調べてみると、去年の記事もあったが、この1か月ぐらいのものが圧倒的に多い。高等専門学校に通う学生(大学であれば2回生と同学年)が、2か月ぐらい前に「プラスチックゴミを減らすにはどうすればいいか」というテーマに取り組んだ。その際は「なぜ、コンビニの袋は有料化されないのだろうか」というところからスタートして、スーパーとコンビニで何が違うのかを一緒に考えた。購入する品物の数やスペース(レジの後に、移動して袋詰めする場所の有無)などを列挙して行った。コンビニ用のエコバッグは小さくて済むので持ち歩きやすく、それを渡せばいいだけなので店員の手間は増えない(スーパーであれば、カゴに移すのではなく袋に詰める、ということで作業が異なる)ということなど、実用化が可能かどうかを検証して行った。その他、袋の値段が同じだと考えた場合、コンビニの方が購入金額は少ないので「高い」と感じ、有料化のインパクトが大きいだろう、という推測もした。同じ3円でも100円に対するものと1000円に対するものでは違う、という意味である。
 生徒達には日頃から「(意見)作文は書いて終わりじゃない」と伝えている。2つの目の話において「嬉しい報告してくれた」と書いたが、それは、その生徒が作文を教室の外まで持ち出したことが分かる一つの出来事だったからだ。私の場合、生徒とやり取りをしたら、それを実践したり、頭の隅に置いて、それに関する情報にアンテナを張り続ける。時々、親御様から「先生は、いろいろなことを考えているのですね」と言われることがあるのだが、当たり前のことかもしれない。添削した数だけ、考えることは増えて行くからだ。
 きっかけは身の回りにたくさん落ちている。それを拾って様々な角度から眺めてみると、新たな発見があるものなのだ。その楽しさ、喜びを生徒たちに伝えてあげたい。

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