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2025.09.16Vol.703 長男との週末記

 先に事務的な連絡から。来週は、教室が1週間休みになるので、それに伴いブログもお休みです。 
 冒頭部分にいつもながらの余談を。前にも少し触れたが、その間ベトナムに一人で行く。土曜の夜に出国し、日曜の早朝にベトナムのホーチミンに到着して、金曜の朝に向こうを発つ。春の面談の際に生徒のお母様から世界自然遺産に登録されているハノイ近郊に位置するハロン湾を勧めていただき、その予定で、南のホーチミンから北のハノイに移動する予定にしていたのだが、その旅程で組んでいたフライトを一度キャンセルして、欲張らずに今回はホーチミンだけに滞在することにした。訪問先に決めたもののベトナムについて何も知らないので、慌てて川島博之著『日本人の知らないベトナム真実』を読んでいる。「はじめに」に「ベトナムがどんな国であるかを知る日本人は多くない。東南アジアの国であり、かつてベトナム戦争があった。その時に米軍が撒いた枯葉剤の影響で、下半身のつながった結合双生児『ベトちゃんとドクちゃん』が生まれた。多くの日本人にとって、ベトナムに関する知識はその程度のものであろう」とあったのだが、恥ずかしながら私は過不足なくこれに当てはまる。
 小学校のPTA会長時代に知り合った他校の会長を務めていたパパ友がベトナムでビジネスをしていることもあり、現地のことなどを教えてもらうために私から声を掛けて3年ぶりぐらいに2人で飲みに行った。そのパパ友が、8月末に東洋経済新報社から『英語挫折を繰り返した! 陰キャなのにリクルート営業マンになってしまった人の英会話術』を上梓した。自費ではなく商業出版するために、いろいろな編集者に送った中で、一番好評を得た企画書を教えてくれたので、それを参考にしながら自分でも作成してみる、というのが向こうで唯一それなりに真剣にやろうと考えていることである。その他には、私も先の本を購入し、それを含めて2, 3冊は持って行くので、プールサイドでお酒片手にのんびりとうたた寝との間を行ったり来たりしながら読書することや、この1か月間はふくらはぎの肉離れやテニス肘で体を鍛えられていなかったのでホテルのジムでリハビリ程度に体を動かすことぐらいはする予定にしている。以下にURLを貼っておく。
https://www.amazon.co.jp//dp/4492048049
 さて、本題。この土日に開催された2日間のいけばな展に高2の長男が出展した。前日の金曜に生け込みをするのだが、終了時刻は20時であった。その2日後の日曜にはサッカー部の公式戦があり、練習を休むわけにもいかなかったので、当初は19時ぐらいに到着する予定であった。さすがに1時間では少なすぎるということで、その日だけ練習後の後片付けを免除してもらうようにする、と本人は言っていたのだが、それで生み出せるのは15分、どれだけ多く見積もって30分である。中途半端では意味がないので、私の判断で学校を休ませることにした。「やるべき10個の事柄に優先順位を付けるのはそんなに難しいことじゃない。大事なのは何をしないかを決断することだ」と高校生ぐらいの生徒たちに時々話すのだが、正にそれを実践した。それは私が20代の頃に本か何かで読んで、なるほど、となった考えである。もちろん、今回長男にもそのことの大事さを改めて伝えた。
 展示会用の花を購入するお店は天六にあり、その近くにパパ友が経営するうなぎ屋があるので、いつもは一人でその2つを訪れ、花材や花器を事前に私が搬入しておくのだが、今回は長男と2人でその経路を辿った。普通であれば学校に行っている平日の朝の9時過ぎから3時間ぐらいは一緒にいただろうか。日頃から2人で出掛けることが無いわけではないが、非日常の貴重な時間であった。結果的には生けるのに約3時間を要した。荷物を運び入れるのを手伝い、その別れ際に「もしかしたら、誰かが理求(りく)の作品を見て、注目して声を掛けてくれるかもしれないから、じっくり時間を掛けて今持っている力を出し切りな」という話をした。もちろん、それは生け花についてのことだけを伝えたかったのではなく、チャンスというのはどこに転がってくるかは分からないので、一つ一つのことを大事にするように、というメッセージであった。
 作業終了の報告とともに、長男から送られてきた作品の写真を、すぐに元生徒のお母様にラインで送った。年長の頃に始めて、その年に初めてジュニアいけばな展に出展したものを、その当時、生け花の先生をされていたお母様に喜んで見せたところ、「ダイナミックなのが良いです。それは中々教えられるものではありません」という言葉をいただいた。「始めたばかりなのにすごく上手ですね」というありきたりのものではなく、我が子への正当な評価のような気がして親として随分と嬉しかったことを今でもはっきりと覚えている。「褒めて伸ばす」という考えが私は好きではない。その子の成長を期待して、目の前のそれなりに重要な課題が克服されるように導き、特にそれが数字などの目に見える形になっておらず、本人が自覚できていないときに、「おっ、~ができるようになったやん」と言葉にする。「伸ばして伝える」というのが、生徒たちと接する上で私が大事にしていることである。昨日、長男が中1の頃から通う英語塾から持ち帰った通知表のコメントは次のように締められていた。「松蔭君には、小さくまとまらずにいて欲しいと思う反面、足元をしっかり固めて、次のステップを目指してもらいたいと思っています」心がこもった、説得力ある一文である。

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