
2025.08.12Vol.698 YouTubeページ作りました
ようやく1本目の動画をYouTubeにアップできました。お時間のあるときに少しでもご覧いただき、チャンネル登録までしていただけると幸いです。
汗顔の至り。自分が話している姿を見るときの心境を表すものとしてこれ以上のものはない。撮影を終えてからテロップの確認、修正を行う必要があったのだが、自分では10分も見ていられないので事務を担当している者にすべて任せた。
1回目の撮影が失敗に終わったことをつらつらと述べた「Vol.692 苦手脱出失敗」を読んだあるお母様が、「小林秀雄は話すのが苦手だったので、それを克服するために落語を聞いたそうです。『小林秀雄講演集』というCDがあり、めちゃくちゃ面白いのでもし興味があれば」というショートメールを送ってくださった。それを受け取ったのが車を運転しているときだったのだが、信号で停まったときにAmazonで確認するとあまりにも値段が高かったのと、YouTubeにいくつかあがっていたこともあり、その後走りながら1時間ほど聴いていた。私は何か聞きながらしか寝られず、そのほとんどは漫才かコントで時々ニュースや英語なのだが、その晩は桂三枝(現在の桂文枝)の落語が初めて子守唄となった。このような感じで人のアドバイスをすんなりと受け入れることに対して、最近、人から「素直ですね」と言われることが何度かあった。私のことをそれなりに知っている人の中では、私と「素直」は結びつくことがないどころか、その対極に位置付けられているはずであり、それに私が異論を挟む余地はない。随分と不思議な感じがするため、それについて少し考えてみた。最初に思い付いたのが、世の中には私より人の話に全然耳を傾けない人がたくさんいて、相対的に私がそういう評価を得るに至っているということ。次に思い浮かび、きっとこれが一番の理由だな、となったのは、このブログなどを通して私がどういうことに興味があるかを明確に発信していて、それを踏まえた上で提案してもらえているから、というもの。要は、有益な情報を提供してもらっているから聞き入れているに過ぎないということである。この1か月間ぐらいのことになるが、本郷和人著『東大生に教える日本史』を読んだのも、レスリー・チャン主演の『さらば、わが愛/覇王別姫』いう昔の映画を観たのも、『非常の常展』、『日本美術の鉱脈展』に行ったのも、すべて勧めてもらってのものである。しかも、CD、本、映画、美術館はそれぞれ別の人からの推薦なのだ。『さらば、わが愛』は偶然、その数週間後に聴いたポッドキャスト番組『COTEN RADIO』の「項羽と劉邦」シリーズの中でも紹介されていた。逆に、本郷和人の話は数年前に、ポッドキャスト番組『a scope~リベラルアーツで世界を視る目が変わる~』で耳にしていた。誰の落語にしようかと考えたときに迷わず三枝を選んだのは、その数日前にサウナで知らない人が「三枝の落語を生で聞いたけどすごかったっすわ」というのを話しているのを盗み聞きしながら「そうなんや」と思ったからである。小林秀雄の名前は読解問題で時々目にするのだが、私自身彼について全然知らないのでずっと引っ掛かっていた。まだ講演を少しかじっただけなので、これを機に本を読んでみよう、とたった今Amazonで調べ、一番とっつきやすそうな『ゴッホの手紙』を選んだ。ちなみに、先々週末、1日(金)『非常の常展』@国立国際美術館、2日(土)『ゴッホ展』@大阪市立美術館、3日(日)『日本美術の鉱脈展』@大阪中之島美術館、と、旅行のとき以外で初めて3日連続で美術館を訪れた。
例のごとく余談が長くなり過ぎてしまったのでそろそろ本題へ。1回目の動画撮影で思い切りずっこけて、いろいろとその原因を探っていてたどり着いたのが、藤さんの意見を素直に聞きすぎたな、ということ。以前にもここで紹介した株式会社エックスラボの社長である。プレゼンテーション作りも多くの部分を任せていたことが良くなかった。そこは自分でやるべきだったのだ。HPに「卒業生の声」を載せられたのは藤さんのおかげである。「合格体験談」を勧められたものの、受験専門塾ではないのでそれはやりたくない、となり、行き着いたのが、「じゃあ、大学生以上に書いてもらおう」というものであった。「顔出し名前出しの方が良い」ということを強く言われていなければ、そのようにしていなかっただろう。最近、HPを訪れると彼らの顔写真がパッと目に入ってくるので、私自身がなんだか幸せな気分になれる。また、9月から始める読み聞かせクラスも、「読書習慣が中々付かない子はどうしたら良いんですか?」と打ち合わせで質問されたのがきっかけだ。まだ4年生なのに進学塾の宿題に追われて、精神的余裕がないせいで本を読むようにならない子も確かにいるので、それであれば時間が取りやすい就学前に我々自身で読書が身近になるようにしよう、となれた。信頼してお任せするところと、責任を持って自分でやるべきところの判断を完全に誤っていたのだ。それに気づき、パワーポイントには全面的に手を入れた。
その他、1回目の撮影後からYouTubeでプレゼンの方法に関するものを結構見た。一人でカメラに向かって話すときの方法論などを学べたのだが、それ以上に役に立ったことがある。それは、こんな人、こんな内容でも良いのか、ということ。それで随分と精神的に楽になった。私は勤勉なわけではなく、何かしら崇高な目標を持っているわけでもないのだが、日頃は自分よりできる人にしか目が行かない。「できる」というのは、あることに対して自分より詳しい、と言い換えることもできる。できないことだらけ、知らないことだらけなので、常に、もっと勉強して成長しないと、という状態に置かれている。下を見ようとしたわけではないのだが、結果的には、「こんなんでも良いんやったら、もっと自信持ってやろ」となれた。
最後に、少しでも良い評価を得るためにすごくずるいことを言葉にすると、初めての、一度撮り直しになったので正確には2回目の撮影になるのだが、台本無しで、練習もしなかった割にはうまく話せているのではないだろうか。今後、どのように進めて行くかは定かではないが、いろいろなテーマに対して撮って行く予定にしている。