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 2か月前に始めた社員のブログ。それには主に2つの目的がありました。1つ目は、単純に文章力を上げること。そして、2つ目が社員それぞれの人となりを感じてとっていただくこと。それらは『志高く』と同様です。これまでXで投稿していたものをHPに掲載することにしました。このタイミングでタイトルを付けることになったこともあり、それにまつわる説明を以下で行ないます。
 先の一文を読み、「行います」ではないのか、となった方もおられるかもしれませんが、「行ないます」も誤りではないのです。それと同様に、「おなじく」にも、「同じく」だけではなく「同く」も無いだろうかと淡い期待を抱いて調べたもののあっさりと打ち砕かれてしまいました。そのようなものが存在すれば韻を踏めることに加えて、字面にも統一感が出るからです。そして決めました。『志同く』とし、「こころざしおなじく」と読んでいただくことを。
 「同じ」という言葉を用いていますが、「まったく同じ」ではありません。むしろ、「まったく同じ」であって欲しくはないのです。航海に例えると、船長である私は、目的地を明確に示さなければなりません。それを踏まえて船員たちはそれぞれの役割を果たすことになるのですが、想定外の事態が発生することがあります。そういうときに、臨機応変に対処できる船員たちであって欲しいというのが私の願いです。それが乗客である生徒や生徒の親御様を目的地まで心地良く運ぶことにつながるからです。『志同く』を通して、彼らが人間的に成長して行ってくれることを期待しています。

2023年12月

2024.11.23社員のおすすめビジネス書⑭

徳野のおすすめビジネス書
『バナナの魅力を100文字で伝えてください 誰でも身につく36の伝わる方法』柿内尚文

 キャッチ―なタイトルなので、これまでも書店で幾度か目に入ってきたが、心の中で「私、バナナアレルギーだし・・・」などと漏らしながら通り過ぎてきた。つまり自分にとって「伝えたいこと」が無いから考えることをはなから諦めていたのだが、そういう言い訳を止めるためにも手に取ることにした。
 著者の柿内氏は広告業界を経て出版社の編集者として活躍している人物なので、数多くのキャッチコピーや商品名が具体例として取り上げられている。だが、本書から学べるのは「この言葉を使えば売り上げが伸びる」という便利な「型」ではない。他者を納得させ、動かすために必要な「視点」を与えてくれており、生徒が取り組んでいる意見作文や講師が作成する月間報告に通じる部分もあると感じた。例えば、新調したばかりのスニーカーを友人に見せる際に「これ、すごく欲しかったんだよね」と、「結論」だけ伝えるのではなく、「お店に買いに行ったらどこも売り切れで、実は10軒以上まわってやっとゲットしたんだよ。すごい人気だよね。」という風に手に入れるまでの「過程」と共に説明することで、そのスニーカーの魅力や価値を理解してもらいやすくなる。相手に「伝わる」ようにするための「フリオチの法則」と呼ぶ方法が活用されているのだが、当塾も「beforeとafter(とその間)」を明確にすることを大事にしている。
 ちなみに、生のフルーツを基本食べられない私が考えてみたバナナの魅力は、「朝もぎり、自然の栄養即チャージ」となった。(字数の関係でキャッチコピー風)

三浦のおすすめビジネス書
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』三宅香帆

 以前、SNSで何度か見かけたので手に取ってみた。生徒に本を勧めている立場上、「読書とは」というのは常に頭の片隅に置いておきたいテーマだ。しかし時間的余暇は比較的あるはずなのに、なかなか本に手が伸びないことも多い。本書では、そういった「時間に余裕がない」以外の、労働と読書の歴史を紐解いてくれている。現代までの変遷についてはぜひ実際に読んでほしいが、「昔も長時間労働者は多かったが、それでも読書は習慣化されていた」ことが鍵のひとつだ。読書の目的は、そして主なターゲット層は時代によって違う。
 現代。SNSやインターネットの登場で、読書は情報収集に最適な媒体ではなくなった。しかしそれは単純な事ではない。必要最低限の情報以外、余分な「文脈」「歴史」などをノイズとして認識するようになってきたことが大きなきっかけである、というのが本書での見方だ。インターネットでの短絡的な知識と読書によって得られる体系的な知識は遠く、そして現代では前者に慣れてしまい、後者のノイズまみれの読書に耐えがたい、というのだ。本を読まずにネタバレを見てしまうのも、内容という情報を「知る」ことに重きが置かれているためだ。自分の興味のあるもの以外がノイズに思える。社会からどんどん離れ、個人に偏っていくことがこういうところに表れる。
「本が読めない」というのは、ただ時間がないとか疲れているとか、それだけのことではない。「自分」以外と関わっていけるかどうか、偶発的な知に触れる余力があるか。労働での自己実現が望まれる世の中で、労働以外の自己を持てるかどうか。そんな様々な原因を抱えているのだろう。

竹内のおすすめビジネス書
『灘校 なぜ「日本一」であり続けるのか』橘木俊詔

 ここ最近古めの本ばかりのチョイスで申し訳ない。志高塾の生徒を通して見てきた「灘」を詳しく知るべき、と思って、2010年出版のものではあるが手に取ってみた。
 毎年多数の東大合格者数を叩き出しているが、東大志向であることが灘の特徴である。近年では西大和学園も高い実績を上げているが、その他の関西の学校では京大への合格者数が東大のそれを上回っている。戦後の学制改革によって6-3-3-4制が敷かれ、旧制中学が3年間の新制高校に移管されたのに伴い、新制中学校が誕生した。それによって公立の旧制中学は中学・高校が別々となったのに対し、私立の場合は中高6年間の一貫教育の形を取ることができた。また、学区の指定もないことによってより広範囲から優秀な生徒を集めることができたことも灘を名門校へと押し上げた。トップ層が関西各地からやってくることで、日本のトップを目指すという風土が確立されていったといえる。また、阪神間は関西以外からの転入も少なくないことから、反対に関西を離れるということへの抵抗が小さいというのもあるだろう。
 昨今珍しいことでは無いのだろうが、中高6年の一貫校であることのみならず、学年団の教師陣が6年変わらないということが灘の大きな強み、魅力であると思っている。3年かけて『銀の匙』を読むという有名な授業をはじめとして、各教員の裁量で、また長期的な計画のもとで指導がなされている。そこには相当な準備があるのはもちろんのこと、いかに充実した学びを提供するかという教師の工夫が詰まっている。本書の内容からは離れるが、灘の国語担当教師の取材記事があったので共有する(https://www.sankei.com/article/20240809-EZWDAZWXPZNTPPPDH4UKUKZD3U/?outputType=theme_nyushi)。
 著者は本書の中で、今後の日本が徐々に学歴重視の程度を弱めていくことを予想している。この時点で既に東大生の官僚志向は薄れており、また各大学の就職支援はかなり手厚くなってきていることからも、学歴のみで社会での活躍の可能性を測れるわけではないことは明白である。だからこそ、学歴を得るためだけの学習に留まらない学びを届けることが大切なのだと考えさせられた。

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