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 2か月前に始めた社員のブログ。それには主に2つの目的がありました。1つ目は、単純に文章力を上げること。そして、2つ目が社員それぞれの人となりを感じてとっていただくこと。それらは『志高く』と同様です。これまでXで投稿していたものをHPに掲載することにしました。このタイミングでタイトルを付けることになったこともあり、それにまつわる説明を以下で行ないます。
 先の一文を読み、「行います」ではないのか、となった方もおられるかもしれませんが、「行ないます」も誤りではないのです。それと同様に、「おなじく」にも、「同じく」だけではなく「同く」も無いだろうかと淡い期待を抱いて調べたもののあっさりと打ち砕かれてしまいました。そのようなものが存在すれば韻を踏めることに加えて、字面にも統一感が出るからです。そして決めました。『志同く』とし、「こころざしおなじく」と読んでいただくことを。
 「同じ」という言葉を用いていますが、「まったく同じ」ではありません。むしろ、「まったく同じ」であって欲しくはないのです。航海に例えると、船長である私は、目的地を明確に示さなければなりません。それを踏まえて船員たちはそれぞれの役割を果たすことになるのですが、想定外の事態が発生することがあります。そういうときに、臨機応変に対処できる船員たちであって欲しいというのが私の願いです。それが乗客である生徒や生徒の親御様を目的地まで心地良く運ぶことにつながるからです。『志同く』を通して、彼らが人間的に成長して行ってくれることを期待しています。

2023年12月

2025.10.24社員のビジネス書紹介㉕

徳野のおすすめビジネス書
斉藤裕亮 『英語挫折を繰り返した! 陰キャなのにリクルート営業マンになってしまった人の英会話術』 東洋経済新報社

 AIによる翻訳や同時通訳の性能は、近年、目覚ましい進化を遂げている。例えば、9月に発売されたAirPods Pro 3にはライブ翻訳機能が搭載された。少しお金を出せば誰でも使える時代に、「人間が地道に語学を学ぶのは非効率ではないか」という声が上がるのも無理はない。ちなみに、本書の著者は、専門的な内容の読み書きについては文明の利器に頼ればよいという立場を取っている。しかし、会話となると話は別だ。むしろ翻訳ツールが発達した今だからこそ、母国語以外の言語を使って海外の人と直接コミュニケーションを取ることが、「信頼関係」を築く上でいっそう重要になるのだ。
 著者はリクルートを退社後、国内で複数の企業を経営するだけでなく、ベトナムでもビジネスを展開している。一見すると圧倒される経歴だが、本のタイトルにある通り、学生時代は英語が大の苦手で、英検を受けたこともなかったという。ただ、海外旅行は好きで、「いつか国外で仕事をしてみたい」という漠然とした憧れは持っていた。そして、いざ「ベトナムに会社を作る」と決めて学習を始めたものの、しばらくはうまくいかなかった。状況が変わったのは、「単語や熟語を暗記できない自分」を受け入れてからだ。そこからは、会話力に的を絞り、中学英語の基本単語だけでシンプルな文を作れるようになることから仕切り直した。
 自分のレベルに合わせて学ぶことは、学習を継続するための大前提である。ただし、単に簡単なことを繰り返すのとは違う。著者の場合、文法では関係代名詞と不定詞を使いこなすことを目標に練習を積んだ。その方針を決めたのも、英語には「後になるほど情報量が増える」「目的や理由を重視する」という法則があると気づいたからだ。つまり、「本質」を捉える思考の働かせ方次第で、学習の効率は大きく変わる。これは、どんな分野の学びにも通じる考え方だろう。
 最後に私自身のことに触れておきたい。学生時代の英語の成績は悪くなかった。高校時代の恩師から「あなたなら英作文だけで大学に受かる」と太鼓判をもらい、実際、国立大の文学部に現役合格した。しかし、ほとんど話せない。特にネイティブスピーカーを前にすると、自分の発音や語彙の拙さが気になり、勝手に萎縮してしまう。そもそも相手の言葉を聞き取れないのだ。だが、本書を通じて、完璧を目指して小さなプライドに囚われていた自分に気づかされた。語学にコンプレックスを抱く人の心を、そっとほぐしてくれる一冊である。

三浦のおすすめビジネス書
青木聡 『天才のパターン思考』 ダイヤモンド社

 「天才」、というキャッチーな言葉はインパクトが強い。章ごとにも「凡人ならこうする、天才ならこうする、そのメリットは…」とひとつひとつ挙げられており、その「凡人」という表現も少し強すぎるような、と思わなくもない。
 本文の中で「天才」の特徴として用いられているのは「パターン思考」である。即断即決の思考法と帯にあったが、それは要するに自分の中での基準やパターンを明確に持っておくことだ。例えば急な頼み事に対してどのように返事をするか、どの仕事から手を付けるか、それもその場その場でいちいち考えるのではなくて、何をもって優先度を判断するかなどの「基準」を設けておくことでスムーズになる、ということだ。それによって即断即決が出来るようになる。もちろん、だからこそ「基準」を決めるには、今までの経験を生かしてよく考える必要があり、そこで生きるのがパターン思考ということだ。
 普段読んでいるビジネス書と違うという印象を受けたのは、チームやメンバーのことはもちろん念頭に置きつつも、主軸がどこまでも「自分」である点だ。特に仕事術に関する記述は、どう自分の仕事をうまく回すかが主な内容であり、「頼まれた仕事を断るべきか」などの判断も含まれてくる。しかし、それは個人主義というわけではない。自分の仕事を円滑に回すことが、結果的にチームの生産性に繋がる。

竹内のおすすめビジネス書
石井玄 『アフタートーク』 KADOKAWA

 「好きなことが仕事だから頑張れる」、「好きなことを仕事にすると逃げ場がなくてしんどい」、どちらも耳にすることがある。今回紹介する『アフタートーク』の著者は、前者にあたる。上手くいかない学生生活の中で支えとなっていた深夜ラジオを制作する道へと進んでいった。初めは小さな制作会社から番組作りに携わっていたが、ADを経て、ラジオ番組の代名詞ともいえる(主観が強すぎるかもしれないが)「オールナイトニッポン」のチーフディレクターを2018年から務めていた。
 上記番組をはじめとして、曜日によって異なるパーソナリティが進行するスタイルがラジオには比較的多い。曜日ごとにかなりカラーが異なるということだ。実際に聴いているとそれぞれに独自の企画があるし、番組が違えばお便りコーナーによく登場するラジオネームも全然違う。「オールナイトニッポン」のチーフディレクターの役割を一言で表すならば各曜日のディレクターをまとめること。聴取率1位を目指す中で実践したことは様々あるが、例えば毎週の番組の振り返り、裏番組の研究、そして各曜日の連携を図るためにディレクターたちにコミュニケーションを取らせることなどである。仕事には通底するものがあるのが当然なのだろうが、教室の運営は帯番組みたいなものだとふと思った。その日に集う生徒、講師たちによって雰囲気は変わる。その後、2020年に番組は念願の1位を獲得できた。数字は分かりやすい指標だが、「リスナーが楽しむ番組を」という思いのもとで得た結果であった。その実現のための取り組みは「生徒たちが考えることを楽しめる場」を目指すうえで学びになる。
 また、筆者は「追い込まれるまで手を付けない」性分と自称するものの周囲からは「仕事が速い」と評される。その理由として挙がっていたのが「誰に任せるのが一番適切かを考えること」である。自分がすることにこだわらない。得意な人に任せるだけではなく、成長のために、その人とのかかわりを作るために、目的を持って割り振るから前に進んでいくということである。もちろんその判断を下すためには、共に働く仲間を、そして目の前にある業務の意味やゴールを理解していなければならない。

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