
2025.10.14Vol.706 ベトナム旅行記(ぞくへん)
「こうへん」で留まらずに「ぞくへん」に突入。このまま行けば、「ぞくへん2」まで行きそうな勢いではある。と言いつつも、今回はおそらくベトナムのこと自体に触れることは無さそうである。
この数日間、不純な動機、という言葉が頭のそれなりの部分を占めていた。「不純」と聞くとマイナスのイメージを抱くが、「純粋ではない」、つまり「プラスではない」と取れば±0ぐらいか、というようなことをぐちゃぐちゃと考えていた。そこから中々抜け出せなかったのだが、納得できるところに着地した。本筋とずれているから不純なわけだが、その不純なるものに価値があれば良いのではないだろうか、というのがそれである。以前、あるITジャーナリストが、横にスワイプしていたらマッチングアプリをやっている可能性が高く、縦だとインスタなどのSNS、というようなことを話していた。最近、私がすきま時間にやっている楽しみと言えば、スマホをいじりながら魅力的な人を見つけることである。ただ、指は横ではなく縦に動いている。
長男が年長の頃に、これからは3人の子供たちを連れて城巡りをしようと決めた。それだけでは子供たちもつまらないだろうと、手始めに100名城のスタンプ帳を3人分購入した。それに加えて、訪れたところでキーホルダーを買い、帰宅後、リビングの壁に貼った日本地図の訪れたところに押しピンを刺し、それをぶらさげて行った。スタンプ帳や地図が埋まって行くことで達成感を覚えさせ、また行きたい、とさせるための仕掛けであった。一番多く訪れた長男が95城ぐらいで止まっているものの首都圏を残すのみなので、親としては大学生になってからでも自ら行ってくれることを願っている。城巡りをする前から分かっていたことではあるが、3人ともほとんど記憶に残っていないはずである。写真を見て、あそこにもここにも行った、というのを思い出すだけであろう。旅行の際には、全国各地のかなりの数の動物園や水族館も訪れたが、それらも同様であろう。それで良いのだ。その場で、その道中で、親子で交わした多くの会話にこそ意味があるからだ。要は、それらは話題提供のための装置としてかなり重要な働きをしてくれたことには疑いの余地が無い。
10月1日からネイティブキャンプでオンライン英会話を始めた。ネイティブキャンプの良さは、何と言っても税込7,480円で授業が受け放題のことである。ただし、ノンネイティブの講師に限られている。ネイティブを選ぶためには、さらにその上の税込9,800円のプランにアップグレードする必要はあるのだが、それでも1万円弱で無制限に受講できるのだ。「10月1日から始めよう」と決めてから、その日までに2, 3日はあったので、どのようにすれば続けられるのかについて考えていた。最終的に決めたことは、毎日やること、そのために最初から飛ばし過ぎずに1日1コマ(25分)だけにすること、の2つであった。若い頃であれば、勢いに任せて飛び出し、すぐに失速してリタイア、となっていたのであろうが、英語に限らずフィットネスなどでもそのような失敗を繰り返してきたので、さすがに抑え目にした方が良いことだけは学んだ。このタイミングでオンライン英会話を始めることは、ベトナムに行く前には頭になかった。9月16日にアップした「Vol.703長男との週末記」で紹介した、パパ友が8月末に東洋経済新報社から出版した『英語挫折を繰り返した! 陰キャなのにリクルート営業マンになってしまった人の英会話術』を向こうで読んだことがきっかけである。それゆえに、ベトナムの話題に触れていないにも関わらず「ぞくへん」となっているのだ。
その10月1日、朝からバタバタしていたこともあり、アプリすらダウンロードしていない状態で夜を迎えた。「別に明日からにしても良いんじゃないか?」という悪魔の囁きに屈しそうになりながらも、どうにかして初めの一歩を踏み出した。最初の講師に選んだのはスーダン人である。フィリピン人が圧倒的に多く、その次がアメリカ人になるだろうか。なぜスーダン人だったのか。それはアフリカ人だったからである。この夏、大学一回生の講師の女の子が、ルワンダに2週間弱ボランティアに行っていた。興味深かったので出国前に、毎日1枚の写真と簡単なコメントをラインで送って欲しいとお願いしていた。ちなみに、その内容が面白かったため、日にちは未定だが、11月か12月にでもオンラインイベントで彼女にそれについての報告をしてもらう予定にしている。スーダンを皮切りに、ケニア、ウガンダ、ルワンダ、ナミビア、ボツワナといったように毎回違う国の先生を選んでいる。エキスポのコモンズ館で初めて知ったセーシェルという国の先生ともレッスンをした。そして、おそらく早くも2日の時点で“Countries Been”というアプリをダウンロードして、授業終えた先生の国をチェックすることにした。それに関しては、後ほどスクショしたものをインスタにあげる予定にしている。
パパ友の本でオンライン英会話を始めようとなり、ルワンダの話を聞いていたからアフリカ人の先生ばかりを選び、城巡りのときにしていたように地図に印を付けて行く。私は初めて会った人にどこの出身かを聞くことが好きなのだが、他の人はあまりそのような質問をしないということに最近気づいた。そんな私にとって、名前すら知らなかったような国の人に彼らのことについて教えてもらうのは楽しくてしょうがない。たとえば、セーシェルというのは島国で、アフリカの中でとても裕福であり、人口は10万人前後なのだが1年で海外から訪れる観光客はそれ以上であること。また、ココナッツから作られたロープが特産品で、その他高級家具を輸出していることなども教えてもらった。レソトという国が、南アフリカ共和国の中に、まるでローマに位置するバチカン市国のように存在するということも知ることができた。
空いている時間を利用して、ネイティブキャンプのアプリを開き、どんな国の人がいるかをこまめにチェックしている。この不純な動機が、日常生活で英語を使わない私を英会話に向かわせるモチベーションになっている。昨日は、初めてバハマとモーリシャスの先生を見つけて喜んでいた。ある程度アフリカを制覇した時点で、中東を通りながら少しずつ北北東に進路を取る予定にしている。毎日違う国の先生を選択し続けられるのは、おそらく後1か月半ぐらいであろう。そのときには今よりも純粋に会話を楽しめるようになっているはずである。ここで終わる予定にしていたのだが、今「人口52万人のカーボベルデ、W杯初出場が決定! 本大会史上2番目の小国に…カメルーンを抑えて快挙」というニュースを見つけた。当然のことながら、私はその国がどこにあるかを知っている、2, 3日前から。