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2026.06.19Vol.97 質問、疑問、応答(三浦)

 志高塾の公式Instagramでインタビューを載せてもらった。
 あまり自分の写真が好きではないので、スマホのカメラロールを遡っても自分の写っているものは滅多にない。数年分をたどって、二桁あるかどうか、そんなところだろうか。そのためどうしても慣れず、載せてもらったインタビューを見るのもときどき恐る恐るといった形になるのだが、綺麗に撮ってもらえたのは素直に嬉しいし、有難い。
 恐る恐るの原因は、写真だけではない。こうして「志同く」で文章を載せてもらえるようになってかなり経つ。自分にとっては、自分の写った写真よりも文章を見てもらうほうがはるかにハードルが低いのだが、それでも、インタビューという形式は初めてだったので、掲載されて時間が経てば経つほど、「これでよかったのだろうか」と勝手にどきどきしてしまう。
 そう、まさしく人生初のインタビュー。雑誌やテレビなどで当たり前のように見かけるが、実際にこうして答えてみると、なかなか難しいものだった。頭の中にぼんやりと答えはあるのに、どう言葉にするのかが上手く掴めない。普段の文章はテーマを自分で設定するので、その段階である程度は展望が見えている。しかしあらかじめ質問が設定されていると、それに答えるという形で思考を整理していくため、その中で「これで言いたいことは伝わるだろうか」、「そもそもこの問いに答えられているだろうか」と何度も自答し、何パターンか用意したものもあった。そんな意味では、自由に自分で文章を書くのとはまた別の部分から、思考を深掘りする良い機会をもらえた。有難い限りだ。
 話は少し変わって、NHKの「NHKアカデミア」というコンテンツがある。公式サイトの説明文は「各界のトップランナーがオンラインで参加した1000人規模の受講生を前に、「自らが歩んできた道」を語る“講座コンテンツ”」。山中伸弥氏や落合陽一氏、穂村弘氏などの回が記憶に残っている。
 ともかくそんな「NHKアカデミア」のコンテンツの一部が番組として放送されているのだが、その中で、オンラインで繋がっている受講者がリアルタイムで登壇者に口頭で質問をする場面がある。今募集している講座の案内を見たところ、100人程度の参加者のうち、10人前後がその機会をもらえるらしい。番組を見ていると受講者の幅というのも面白く、宇宙やスポーツに関する内容だと小学生くらいの子どもがいる確率も高く、良い経験になるだろうなと思う。
 参加者からの質問は多岐に渡る。もちろん登壇者の専門分野に関するものがほとんどだが(それに興味を持って応募しているので)、より普遍的な、メンタルの保ち方、将来の決め方、そういった質問も時にはある。それに対する答えも当然多岐に渡る。その中で、時には、「言っていることはすごく良いけど、聞かれていることに答えていないんじゃないか?」「その答えだと質問者の意図を汲み切れていないのではないか?」と思ってしまうような回答もゼロではない。
 しかし、求められる答えをそのまま返す必要はないのではないか、と、ふと思う。質問に対して、その質問者の意図を汲んで、それに即して答えなければならない場面がある。一方で、その質問を起点にして、もっと他の話へと展開させていく方が効果的な場面がある。もちろん回答によって問題を解決したい質問者もいるだろう。けれど、答えとなる中心の回答をひとつ与えられるより、その周囲を与えられた方が、咀嚼する過程で新たなヒントを見つけられることもあるかもしれない。
 とはいえ、世間的にはきっと、前者の場面の方が多いことは目に見えている。後者のような芸当ができるのは、それこそトップランナーのような、「話すべきこと」をたくさん蓄えている人に違いない。そしてそんな人々は、既にいろいろと思いを巡らせてきただろうから、いざ前者の場面にあたっても答えられるはずだ。
 完璧な一答。準備に準備を重ねたつもりでも、なかなか一度でうまく返すことはまだできない。すでに考えたことがあるような内容でも、いざ聞かれると答えに窮することも少なくない。今回のインタビューも、普段からぼんやりと考えていたはずなのに、実際に言葉にするのに苦労した。それでも、その苦労のおかげで、今改めて読み返して「なるほど」とも思える。
 来年、再来年と時を重ねるごとに、それがまだ「なるほど」なのか、あるいは「今なら違うかもしれない」へと変わるのか。自分がどれだけ振り返り、どれだけの事を蓄積できているのか、来年の今頃に少し思いを馳せる。

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