
2017.04.18Vol.298 一難去ってまた一難
半年前、授業のこと、生徒のこと以外で私の頭を悩ませていたのは何と言っても採用である。どうすればいい人材が集まるのだろうか、ということをよく考えていた。そう言えば「人材」を「人財」と表現する会社があるが、雇われている側は、「財産として大切にして扱ってもらえている」と感じられているのだろうか?前回話題にしたOJTではないが、それっぽい言葉を当てて終わっているだけのような気がしてはならない。気になって調べてみたら、やはりブラック企業がその漢字をよく使うらしい。
冒頭の状況に対して、私は単純に2つの対策をした。それまで掲出していたサイトでは少しでも上位表示されるよう、より高額のコースに変更し、もう1つは媒体を2、3増やした。何のことはない、露出度を上げただけの話である。初めの2, 3ヶ月は効果が現れず「このままだと豊中校の生徒が受け入れられない」と焦っていたのだが、その後急激に応募が増え始め、今もその勢いが止まらない。我々の主たる業務は面接ではないだろうか、と感じてしまうぐらいである。この1ヶ月でも10人ぐらいの方にお越しいただいた。この結果を踏まえて、今後は効果が上がったサイトに絞り込んでいくことになる。
新たに訪れた一難。豊中校の生徒が増えないのだ。西宮北口校は初めの1ヶ月ぐらいで30人ぐらいになった。そして、私は10年前と同じように、新聞折り込みを中心に広告を打った。そして、そのリアクションはほぼゼロであった。体験授業を3月ぐらいから始め、4月から授業を始めているがまだ生徒が5人しかいないのだ。しかも、そのうちの1人は私の長男。その長男、宣伝用に賢く見えるように撮っていただき、HPの豊中校の紹介のところに載せているので、お時間のある方は一度ご覧ください。ブルゾンちえみがテレビに出ているうちに「35人」にならないかなぁとくだらないことを考えていたりする。
この一連の出来事に関して「ああ情けない」となった。結果自体もそうなのだが、私は10年前と同じ手段で、ある程度似たような結果が出ると思い込んでいたのだ。他の誰かの失敗談としてこの事実を知ったら「そりゃそうやろ」と一笑に付したはずである。その間、新聞を取る人が減り、スマホが現出し、一気に普及し、それに伴いパソコンの売れ行きが激減していることなど、世の中がガラリと変わったことは百も承知であった。それなのに、という話である。
後悔していることがある。もっと早くに豊中校を開校しなかったことに対してである。昔、兄の友人が大学の卒業旅行で初めて海外に行き、「こんなに楽しいんやったら、もっと早くに行っとけば良かった(社会人になると中々時間が取れないから)」と言っていたという話を聞いた。私は1回生の頃から毎年のように行っていたし、「大学生のうちにしておいた方がいいことは何ですか?」と問われれば、その1つとして旅行のことを挙げ、早いうちにまず一度行ってみて、自分に合わなければ別の何かを考えればいいし、良かったのならまた行けばいい、というアドバイスをしてきた。思い通りに全然行っていないが、やはり新しいことは楽しい。過去は変えられないので、3校目を早く出すことが大事になってくる。
この数週間、豊中校の存在を知ってもらうためにどのような媒体を使えばいいのかを探るために、いくつかの会社の担当者にお越しいただき話を聞いている。それはそれとして、今いる生徒に「めっちゃいい授業したんねん」と今まで以上に強く意気込んでいる。こういうときはいつもそこに行き着く。まだ見ぬ生徒ではなく、今いる生徒のことに集中しようとするのだ。いい商品が売れるのではなく、売れたものがいい商品なのだ、と言われる。まだ売れていないがいい商品を持っているという確信がある。単なる強がりにならないようにいろいろな意味で結果を出すしかない。