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2023.09.19Vol.607 喜びの詰め合わせ

 今回は、高2の生徒が学校の夏休み課題として取り組んだ作文を紹介する。その後、感想などを述べる。では、早速どうぞ。

 グローバルな人間になりたいと憧れていた。海外でも活躍できる人間になりたいと思っていた。「英語が流暢でコミュニケーション能力に長けている人」が自分の目指すべき姿だと信じていた。
でも、グローバルに活躍できる人は本当にそんな人だろうか。カナダへの短期留学を経験し、それだけでは不十分だと思うようになった。きっかけは日本のことについて色々と質問されるとあまりにも自分が日本について無知であることがわかり、また世界の常識も知らないことばかりであることに気がついたのだ。
 1歳からインターナショナルスクールに通わせてもらっていた私は、それなりに英語のスキルはあるし、対人関係にも不安がない性格なので、カナダで大切な友達に恵まれとてもいい時間を過ごせた。長期留学したいと考えながら帰国したものの、これをたとえ一年続けてもまだ自分はなにものにもなれないだろうし、グローバルな人間にはなれないのかも知れないと考えるようになった。英語が少しできるくらいでは私ができる職業は限られている。グローバルな活躍を目標とする場合には、英語は必要最低限のスキルとしか言えないだろう。
私の塾の先輩でとてもグローバルな活動をされている素晴らしい方のお話を聞く機会を得た。
 彼は、現在医学部の学生でありながら「途上国の課題解決を目指す学生起業家を応援する」というコンテストの応募をきっかけに、カンボジアの生ゴミ問題の解決に向けての活動をされていた。NPOではなく、ビジネスという形をとって現地の人にもお金を回したいということで起業された。旅行の際に衝撃を受けた生ゴミが路上に大量に溢れている悪環境を解決しよう思い立ち、ハエの幼虫を使って生ゴミを分解させる循環型の装置を作ったのだという。なぜ生ゴミが路上に堆積するのか考えた時に、課題はゴミが回収されないことだと気づき、堆積しているものは分解する方法がよいと思ったそうだ。カンボジアの方々に実際に使ってもらったり、郊外の生ゴミ問題が深刻な地域に設置して回ったり、不衛生にしない重要性を伝える活動に取り組まれてきたそうだ。
 ソーシャルビジネスがやりたかったわけでも社会問題に強い関心があったわけでもなかったと語る彼が、カンボジアの状況に驚き、小さな虫の働きに驚き、そういった驚きの積み重ねで現在の活動をされているという話を聞いて、少し身近に感じることができたと同時に、人のためになることをしたいという思いが素晴らしい方だなと感動した。
彼の活動を通してグローバルになるために私が一番大切だなと思ったことは、「知る」ことだ。
 世界的な問題に気づくことによって、自分は何に気をつけるべきか.どういう環境に晒されているのかを知り、行動を起こせる人間に成長していくことこそまさにグローバルに活躍していくということなのだろう。
 私が最近知った好きな言葉に「Think Globally, Act Locally」というものがあり、地域に接しながら地球規模で物事を考える人になりたいと考えるようになった。実はこの言葉には続きがあって「Think Globally, Act Locally. Think Locally, Act Globally.」つまり、世界を意識して、地域で行動する。地域の経験を活かし、世界を変える。
 でも世界に行くことで初めてわかる状況はもちろんあって、足を運ぶことで肌で感じることはたくさんあると思う。そして世界に行くことで問題が解ると同時に日本のことももっとよくわかるようになるとおもう。でも、毎日学校に通い、変わらない日常を送る今でも、世界を知ることはできる。日常が忙しいとなかなかニュースに触れる機会が少なくなりがちだが、今はインターネットが普及したありがたい時代であるので、世界に目を向けさえすれば「知る」ことは簡単だろう。
 私は将来の道を決めるにあたりとても悩み、医療の勉強に興味があるのでそちらの進路を考えたもののそれなら英語には直接関係しないのかと思って残念に思っていたが、自分がどんな道を進むにしろ専門的に何かを学ぶと同時に英語力を磨き、グローバルな視点を持ってアンテナを張ってさえいれば、いつか英語力を活かして世界で活躍できる道へ進めるのかもしれない。
 きっと「グローバルに考える」ということの意味は、ローカルなこととグローバルなことに目を向け共通点や相違点、問題点を見つめて「知り」、考え、世界と繋がっていく、考えていくことを言うのではないでしょうか。
世界で活躍できる人間になりたいという自分の向かいたい道を漠然と思い描きながら、グローバルな自分になれる日を夢見て英語のスキルは常にみがいて準備しておきたいとおもう。

 彼女は高2になってから休塾していて、夏休みの間だけ期間限定で復活して4回の授業を通して上のものを書き上げた。大学受験に関しては、内部進学するのかそうでないのか、文系か理系かなどといろいろ考えて、高1の終わりぐらいに医学部を目指すことに決めた。そして、この春、「理系科目の強化が必要なので、休塾させてもらって良いですか」との相談をお母様より受けた。それに反対する理由など無いので、「理系科目の勉強がひと段落して、小論文対策が必要になったら帰ってきてください」というようなことを伝えた。
 正確には4回の授業で仕上がらなかったので、後日メールでチェックをお願いされた。「思う」が多いなど、表現に関しては修正が必要ではあったものの、内容は十二分に考え尽くされていたのでそのまま提出することを勧めた。
 最後に、「喜びの詰め合わせ」の内訳について。学校がある期間はその他の塾が忙しいから難しいものの、時間を見つけて戻って来てくれたことが嬉しい。作文の宿題に関して、学校から与えられた10個ほどのテーマの中から楽そうなものではなく、取り組みがいのあるものを選んだことが嬉しい。小3から通い始めた彼女が、1,850字にも達する作文を、情報を付け足したり削ったり順番を入れ替えたり、より良いものになるように試行錯誤しながら書き上げるまでに成長したことを目の当たりにできたことが嬉しい。でも本当は、ブログを1回分書かなくて良くなったことが一番嬉しいのかもしれない。

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