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2023.06.20Vol.595 自然発酵させるために

 同じ轍を踏まない。2週連続では。ただいま6月14日(水)の9時過ぎ。翌朝から早くも手を付け始めた。今日は、週1回の小学校に教えに行く日で、10時半に到着しないといけない。昨年度までの2年半は月曜だったのだが、週末の時点でこのブログの文章が全然進んでいないときに、納得の行かないままにアップしないといけないことが幾度もあったので、学校側に変更をお願いした。月曜の午前に余裕を持たせておきたいのだ。暑くなって来たので授業前にサウナに寄ることは決めていたのだが、昨晩の時点での懸案事項は、その前にゴルフの練習をするかどうかということ。結局、朝起きて行かないことにした。文章を書くことを優先したかったのと、2日続けて打ちっ放しに行っていたので、体の、というよりかは頭のリフレッシュをすることにしたからだ。私の場合、勉強でも運動でも何でもそうなのだが、やってみて、うまく行かないモヤモヤを自分の中に少しの間抱えて、「こうすれば解決するかも」と自分の中から糸口のようなものが自然と浮かび上がってきたときに、再び動き出す、というサイクルをきちんと回せたときに物事は良い方向に向かう。モヤモヤが発酵する時間をたっぷり取れるかどうかがポイントなのだ。それが十分でないと、切羽詰まって自然ではなく人工的に答えを出しに行くので納得の行かない結果になってしまう。問題を抱えたとき、「何か良い方法はないかな」と外に答えを求めに行くことはほとんどない。「私はすべて自分で考えてどうにかします」ということが言いたいのではない。所詮アイデアなんて組み合わせであったり、流用でしかなかったりする。日頃から、自分の中にいろいろな情報を蓄積させられていれば、それらを活用することで大抵のことはどうにかなる。その日常の作業を怠って安易に解決策を得ようとするから、運良くいくつかはやりすごせても、その場しのぎでその後が続かないのだ。ご存知のように子育てにおいては次から次へと問題が起こるわけで、その度にネットで検索していたら子供がまともに育つはずはない。その問題が独立して存在しているわけではなく、その子のこれまでの歩みや性格などと強く結びついているからだ。
 さて、今日の練習は断念したゴルフ。この4月から再びレッスンに通い始めた。そこで私が指導を受けているコーチから、後輩がプロテストで不合格になったときに次のようなやり取りがあったことを教えてもらった。
「この一年どんな練習をしとってん?」
「1日たりとも休まずに自らに課した700球を毎日打ってました」
「来年に向けて、どうすんねん?」
「ちゃんと700球打ち続けます」
その言葉を聞いて、「こりゃアカンわ」となったとのこと。そして、実際その彼はプロになれずじまいであった。立ち話のような状況でゴルフのことがよく分かっていない人に手っ取り早く数字の話をするのは理解できるが、相談に近い形のときにそのような話しかできないのはあまりにも貧相である。
 継続は力なりなのだが、ただがむしゃらにやり続けたからといって上達するものでも無い。具体的な数値目標を立てることによって自分を甘やかせないようにすることも大事だが、ただ、それをすることが本来の目的に合致しているか、思考停止に陥っていないか折に触れ、チェックをしなければならない。算数が苦手なので、「毎日計算を10問」というのは誰もが思い付く方法である。それによって計算ができるようになったのは良いが、その訓練をしたことで、算数≒計算というような勘違い生まれていたら、一時ストップする必要があるし、そもそもそうならないように単純作業だからこそ最初の段階から工夫をさせなければいけない。教えている我々としては、答えが合っているかだけではなく途中経過をきちんと見る必要がある。例を挙げると、どこでそんな変なことを習うんや、と怒りすら覚えるのだが、分数の足し算、引き算を機械的に仮分数に変換する生徒がいる。そういうのを見つけたら、これ解いてみ、と次のような問題を出す。
2334 1/16-2331 1/12
そのあほみたいなやり方を実行すると、まずは
37345/16-27973/12
とそれぞれを仮分数にした後に、分母を最小公倍数の48に揃えて、
112035/48-111892/48=143/48
となる。
余計なことをせずに解けば、
2334 3/48-2331 4/48
となり、そのままでは引けないから1借りてきて
2333 51/48-2331 4/48=2 47/48
となる。
例が極端すぎる、と思われるかもしれないが、こういう風なことをやらせても同じことを繰り返す生徒がいる。絶対に帯分数のまま解きなさい、ということが言いたいのではなく、そこに判断を入れさせたいのだ。その次に掛け算、割り算をするのであれば仮分数にしに行くことを前提にすれば良いし、足し算、引き算であれば帯分数が最初の選択肢になる。大切なのは、「何でこうやって解いたん?」と聞いたときに、「AかBかで迷ったんですけど、Cという理由でBを選びました」と答えられるかどうかなのだ。
 そして、もう1つ。計算を通して感覚を磨く必要がある。たとえば、
4.1×3.02=11.124
というのを見せたときに、間違いだと気付ける感覚である。1つ目の理由は、一番下の位は1と2の積である2でないといけないのに4になっていること。2つ目はそれよりももっと重要である。それぞれ4と3より大きい数を掛けているので、絶対12以上にならないといけないのに11であること。
 「数は感覚が大事と」と生徒たちに日頃偉そうに言っている私が、とんでもないミスをしたこと気づいた。前回、最後の方で以下のように述べた。

ここまで述べてきたこと以外にも、この2年間でコロナ対策に100兆円というニュースがあったので、子供一人当たり1,000万円支給すると何人分になるのか、と計算したら、たったの1,000人分にしかならなかった。

式で表すと、100兆÷1,000万=1,000となる。私は、日本の国家予算が100兆強であることも知っていた。ここで分かりやすく日本の人口を1億とする。それは1,000万の10倍である。割る数が10倍になれば、その答えは10分の1になる。つまり、上の式が正しければ、100兆÷1億=100となるのだ。これは、今回のコロナ対応や国家予算が1人当たり100円で済むということになり、明らかにおかしいのだ。先週、あれっ、と思いながら何度か確認したのに情けないことに気づけなった。実際は、1,000人分ではなく1,000万人分だったのだ。2022年は初めて日本人の出生数が80万人を割り込んだ。100兆円あれば、子供1人に1,000万円を配っても、12年間分の新生児を賄えるのだ。
 HPのトップページで、「『言葉』と『数字』は思考をする上での両輪です。」と語っている。バランス良く、スムーズに回転するように鍛錬を積んでまいります。

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