志高塾

志高塾について
志高塾とは
代表挨拶
通塾基本情報
アクセス
お問い合わせ
志高塾の教え方
指導方法
志高塾の作文
志高塾の添削
読解問題の教え方
使用教材と進め方
志高塾の教え方
志高く
志同く
採用情報
お知らせ
志高く

2018.08.21Vol.363 志高塾のストロー

 「志高塾とストローと私♪」というタイトルにしようかと思ったが、くだらないのでやめた。と言いながら、それにとりあえず触れてみるところが自分らしい。こういうとき「自分らしい」の前に「良くも悪くも」と付くことが多いのだが、残念ながら「良くも」に当たる部分が見つからなかったのでそのままにした。
 現在、環境保護の観点からプラスチックストロー廃止の運動が世界的に広がりつつある。それがスタバから始まったというのが私の認識である。調べれば分かることなのだが、どこから、というのは私にとってそれほど重要なことではないので、この文章ではそのまま、スタバ、ということにしておく。ホットドリンクは直接口をつけて飲むので、冷たい飲み物だけにストローをつけるというのも考えてみたらおかしい話である。「考えてみたらおかしい」というのは世の中にたくさん転がっているが、「考えないからおかしい」ままなのだ。そのニュースを耳にしたとき「ストローの代わりに何を使うのか?」という疑問が湧いた。そして、その後どうやらホットドリンクと似たような形状の蓋になるらしいというのを知った。この件に関して、「紙のストロー」なるものが存在することを初めて知った。それで代替したところで、環境負荷は下がるがゼロにはならないので、当然のことながら無くすのがベストである。「少しずつ良くしていく」という方法もあるが、一気に改善できるのであれば、それに越したことはない。このままだとずっとストローの話になるので、ここで一旦、志高塾の話題に移る。
 作文には、性格なども含めた物事の考え方が強く反映される。それゆえ「一気に改善」というのはほぼ不可能である。だからと言って、生徒が書いたものを何となく添削すればいいというわけではない。それは、砂浜で表面の砂を撫でているようなものである。そうではなく、腹ばいになって、片方の腕を必死に伸ばしてどんどん穴を掘り、肩から下が全部埋もれるぐらいに奥深く進んでいく。表面はやけどするぐらい熱くても、5, 60cmの深さにある砂は、間違いなくひんやりとしているはずである。その砂をガチっと掴み取る。頑張って例えてみたものの、全然伝わらない気がしてきた。まあ、表面的なやり方ではだめだ、ということが言いたかっただけなのだ。
 入塾してまだ半年も経っていない高校2年生の男の子に意見作文をさせると、とにかく面白いぐらいネガティブな内容になる。それに対して「もっとポジティブに考えた方が得やで」なんてありきたりのアドバイスはしない。冒頭の「良くも悪くも」ではないが、「物事には良い面と悪い面がある。誰が考えても良いもの、逆に悪いものには議論の余地が残されていないのでそもそも考える対象にはなりえない。今は、悪い面にばかり目が行っているが、良い面にも目を向けた上で結論付けた方がいい」と伝えた。最終的にポジティブ、ネガティブのどちらに重心を置くかはその子の自由である。5回に1回ぐらいはポジティブなスタンスで書き上げるかもしれない。残りの4回はやはりネガティブであったとしても、物事を多角的に見られるようになると「シュール」となるかもしれない。その子の作文の一例をここで紹介する。「僕は小さいころ、怖くてうんていができなかった。5, 6年生になって克服できたが、その頃は既に足が地面についていた。今、誰かが高さ3mぐらいのうんていを作ってくれたとしても、童心に返って楽しむことはできない。」身長180cmを超えるその子が、真顔でぶら下がっているところを想像してしたら、かなり愉快な気分になれた。
 その子は、大学受験の小論文対策のために通い始めてくれた。他の塾であれば(そもそも、志高塾は少なくない数の親御様たちから「塾」と認識をされていない。この前も迎えに来られた親御様が私に「先生どうしましょう。他の同級生の子たちはこの夏休み、みんな塾に行っているのに、うちの子は全然で。いや、ここが塾ではない、とは言ってないんですよ・・・」と相談された。「私、塾の先生ではないので、いいアドバイスが思い浮かびません」と返せば良かったのか)、受験を見据えて、知識であったり、テクニックであったりを詰め込みに行くのだが、ここではそんなことはしない。まずは思考を柔軟にする。言葉を使って考える楽しさを知りもしないのに、点数を取るための作文をさせて何になるのか。過去問対策に2年もいらない。
 一体、プラスチックのストローは世に出てどれだけ経つのだろうか。他の外食チェーンもスタバに追随している。環境ではなく、ブランドイメージを守るために。それでも、環境のためになるのであれば、それはそれでいい。そんなことを考えながらコンビニに行くと、普通にレジ袋をもらえた。私がよく利用するスーパーなどでも袋の値段が最近上がった。いいことである。いつ、コンビニは有料化に踏み切るのであろうか。店舗数、利用者数を考えても、環境に与えるインパクトは計り知れない。 
 悲しいかな志高塾の規模では世の中を変えられない。ただ、通ってくれている子供達には、良くも悪くも影響を与えることができる。「プラスチックのストローは便利だから何の疑いもなく使用していました。でも、環境に良くないと気づいたのでこれからは使いません」的な考え方は許されない。子供にとって本当に何が必要かを考え、手を打ち続けなければならない。もし、10年後に誤りに気づいたら、その間に通ってくれていた子供たちはどうなるのか。他の塾にはあるストローのようなものがないから、志高塾は「塾」だと位置づけられないのかもしれない。飲み物を受験に例えると、別にストローなんかなくても飲むことはできる。環境にやさしい、ではないが、子供にやさしい受験をさせてあげたい。それは、「甘い」とは違う。そこには「厳しさ」がある。たとえば、間違えたら怒られる、という類のものではなく、簡単に「分かりません」と諦めさせずに、とことん考え続けさせるというのも、その1つ。
 志高塾では、まるでストローで吸い上げるみたいに「チュー」って子供たちの才能を引っ張り出すんです。そんなことができたら苦労しないわな。
 残暑のせいであろう。最後は少し馬鹿になりすぎた。

PAGE TOP