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2017.12.05Vol.329 私の考えが詰まった文章

 以前にもここで簡単に触れたが、来週の土曜日にコミュニケーション力のない私がコミュニケーションについて話すという冗談のような場が与えられたので、毎日思いついたことを少しずつまとめながらプレゼンの資料を作っている。過去に作成したものなど使えそうなものを探していたら偶然ある文章を発見した。それは、大阪大学の大学院生が対象の「超域イノベーション教育プログラム」に応募する学生のために5年ほど前に私が書いた推薦文である。なお、そのプログラムの概要は、大阪大学のHP上で次のように説明されている。

本プログラムは、すべての専門分野に学ぶ大学院生を対象とした教育プログラムです。
 本プログラムを履修する大学院生(以下、履修生)は、在籍する研究科での高度な専門教育に加えて、本プログラムの特徴である文理統合・学生参加型の授業科目を履修します。
 独自のコースワークでは、課題設定・解決能力を総合的に修得するためのプロジェクト学習、さまざまな知識やスキルを学ぶためのモジュール方式を中心とした授業や、海外でのフィールドスタディを含む実践活動等により、高度な教養に基づく知識と汎用性の高い技能を修得していきます。それらの相互作用と統合を通じて、未知で複雑で困難な課題の解決を先導するための超域力、すなわち、社会でイノベーションを起こすための力=高度汎用力を修得します。

 要は、これまでのように専門分野の勉強だけではなく、高いレベルで学んでいる者同士が学部の垣根を越えて情報、意見を交換することで、より社会で生きるスキルを身に付けようというのが狙いである。
 タイトルにもあるように、その推薦文に私の考えが結構詰まっていたので、今回はそれを紹介させていただく。文中にある「T」はもちろんイニシャルである。

 私は、小学1年生から高校3年生までを対象にした、作文をカリキュラムの中心に据えた「志高塾」という国語専門塾を経営している松蔭と申します。Tを、自信を持って今回のプログラムに推薦させていただきます。
 彼には、現在に至るまでの約3年間、作文を添削する講師として働いてもらっています。大学生のアルバイターの場合、週2、3回は勤務することが多いのですが、彼は学業を優先するため、基本的に週1回土曜日のみです。雇用主としては、もう少し授業を担当してほしいと思う反面、そのこと自体を喜ばしくも思っています。それは、教える技術よりも、講師の人格に、私が重きを置いているからです。将来の目標を持ち、それに向かって自身を研鑽する彼に接する子どもたちは、そこから何かを感じ取ってくれているにちがいありません。
 彼の働き方について、もう少し具体的な話をします。上記のような理由により、彼には低学年よりも高学年、また中学生や高校生を任せています。定義はさておき、我々のところには優秀な生徒が多いです。その彼らが書いた意見に対して、講師は正否の判断に留まらず、もっと広範な考え方があるというところまで含みこんで指導する必要があります。それには、引き出しの多さと、そこから適切なものを選択し、分かりやすく伝えるということが不可欠です。彼は、私がどのレベルまで講師に求めているかを理解した上で、自分なりに工夫しながら指導してくれています。
 物事の考え方や取り組む姿勢など、年齢を考慮すると非常に優秀であることは、すぐにお分かりいただけると思います。その彼が、すでに持っている能力を生かし、今後さらに成果を上げるために必要なものは、周りを巻き込む力であると考えています。私が考える、優秀な人間像というのは、専門分野における力とそれを兼ね備えている人材です。
彼は、私のニーズを把握し、責任を持って授業に当たっています。周りの講師たちともうまくやっています。ただ、時には、自分の立ち位置を必要以上に気にせずに、そこから飛び出して、化学反応を起こすことで、新たな道を切り開いていくことも重要です。
 今回のプログラムの意図や彼自身の考えと、私自身が今後の彼に期待することはずれているかもしれません。ただ、それを少しでも意識しながら、彼が前に進んでいくことを、私は望んでいます。
 「志高塾」に通っている子どもたちには、将来、自分自身が満足できる道を歩んでほしいと思いながら、作文を通して日々さまざまなメッセージを伝えています。講師の彼が、我々と関わりながら学んだことを活かし、社会で活躍する人間になってくれれば、それは一緒に仕事をしている我々にとって非常に喜ばしいことです。
ご高配いただきますよう、よろしくお願いいたします。

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