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2017.10.17Vol.322 手段を選ばないことの是非

 9月1日の時点で10人だった豊中校の生徒が、1ヶ月と少しで15人になった。このままこのペースで増えていけば、早い段階で私の左手には団扇が。そんなことはあるわけもなく、半年後に20人になっていれば上出来である。
 2月に開校し、あまりに生徒が集まらなかったため正直かなり焦っていた。冷静さを失っていたことで私は間違いを起こしかけた。もし、西宮北口校に問い合わせの電話があり、その方が2, 3ヶ月以内に塾のテストにおける国語の偏差値を上げたい、というような話を中心にしようものなら迷わずに、そういうことを専門に行っている、進学塾から独立した先生が開いている塾を紹介する。そこには寸分のためらいもない。春先に豊中校に問い合わせをいただいた高校生の女の子のお母様とは電話のときから話がうまく噛み合わなかった。それにも関わらず体験授業を行うことになった。私がそのように導いたのだ。そのお母様の求めていることは、「指定校推薦を取るために、定期テストの国語の点数を取れるようにすること」であった。それに対して私は「それはそれとしてやりますが、せっかく時間をかけるのであれば根本的な力もつけましょう」という提案をした。やり取りをしながら、説得しようとしている自分に違和感を覚えていた。結果、入塾にはつながらなかった。先日、体験授業を行った小学5年生の親御様から入塾させたいとの話をいただいたが、私は再考を促した。入ります、入りません、やっぱり入ります、と1週間でコロコロと考え方が変わったことに加え、何よりも、志高塾が大事にしていることを理解していただけていなかったからだ。何も私の考え方が正しくて、そのお母様の考え方が間違えているということではない。ずれがあっては双方にとって不幸になるからだ。結果「では他のところを探します」となった。今回私は過ちを犯さなかった。
 生徒が増えれば売上が増えるというのはもちろんある。それは横に置いておく。当初は、金、土の週に2日しか授業を行っていなかったが9月から水曜日も開講した。それにより振替も取っていただきやすくなった。春先に豊中校で優秀な大学生を雇ったのだが、曜日と時間が合わずに結局本人から辞めたいとの意思表示があった。日数は増えたがいずれの日も講師1人体制である。つまり、1コマに生徒が最大で2人しかいないということである。1人ということもある。子供を任せている親御様からすれば少ない方がよりしっかりと見てもらえていいと思われるかもしれないが必ずしもそうではない。周りに何人かいることで刺激を受けるということは少なくない。今後は曜日を増やすことに加え、2人体制にし、より授業の質を上げていく。
 今回の衆院選のニュースを見ていて、テーマを思いついた。「手段を選ばない」の前には「目的のためには」というフレーズが来る。その目的が崇高なものであり、かつ手段がある一定の限度を超えないものであるという条件を満たしたとき、その手段は容認される。でも、私は思う。果たして、そこまで強固な意志を持てるのだろうかと。「目的のため」と言いながら、ぎりぎり合格の手段を繰り返し選択しているうちに、1回ぐらいは不合格のものでもいいかとなり、目的まで歪んでしまうのではないだろうか。神戸製鋼の問題も、日産の問題もそういう考えに端を発しているはずである。よく企業体質という言葉が用いられるが、私に言わせれば人間性質である。人間の意志なんてそんなに強くないのだから。
 弱い意志と戦いながら、余裕の合格点を取れるような手段を繰り出していきたい。

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