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2018.04.10Vol.345 not 優劣 but 相違

 前回掲載した文章に関して私見を述べるはずだったのだが、予定通り予定外のテーマに。
 この春、これまでにないぐらい生徒が増えている。「調子に乗ってるんじゃないか?」と問われれば「はい、調子に乗ってます。」と真顔で答える。「これまでにないぐらい」なので、他の塾とではなく、あくまでも志高塾の過去と比べてという話である。それゆえ、一般的には大したことはないのかもしれない。西宮北口校は圧倒的に紹介が多く、豊中校はホームページなどを見てというのが大半である。親御様が我々のことを評価してくださって大切なご友人に紹介してくださるのももちろん、一方で大事に思ってくださるからこそ秘密にするというのも同様に嬉しいものである。生徒が増えようが減ろうが、やるべきことは1つ。とにかく、今いる生徒に質の高い授業を行うことだけである。このブログをそれなりに読んでくださっている方は「今の生徒を大切にする」という類のフレーズを見飽きているかもしれない。
 人は弱いものである。他人はどうでもいいか。少なくとも私は弱い。それは間違いない。根無し草となりふわふわと漂いながら、適切なポイントを順次パスしていくというのは私にはとてもではないができない芸当である。そのような自信がないというか、間違えたことを次々にやらかしてしまう確信があるというか。そんな私だから、いつも立ち返る場所、原点が必要となる。それが「今いる生徒を大切にする」である。このような場で言葉にする何十倍、私は自分の中で呪文のように唱えている。
 生徒が思ったように増えないとき、どうしらたらいいのかを考える。方法は単純に考えて2つ。1つ目は「ターゲットの層を広げる」ことである。本来であれば志高塾に興味を持ちそうにない人たちにリーチする。それを頭に思い浮かべては、その瞬間消し去る、それを選択したところで、どのようにすればいいかも分かっていないが、仮にうまく行ったとすると、我々は進学塾の公開テストの対策を求められるなど、どうでもいいことにエネルギーを割くことになる。そのような依頼は基本的にはお断りするが、断ることにもエネルギーは必要なのだ。2つ目は「従来のターゲット層への的中率を上げる」ことである。「やっぱりこっちだ」と毎度頭の中、心の中でその選択肢をがっちりと握りしめるのだが、これまた方法が分からない。そして、「わかってくれる人は分かってくれるさ。生徒の数だけ増えても、志高塾を理解してくれている人じゃなければ意味ないしな」などとどうでもいい言い訳をする。
 さて、「生徒が増えている」と調子に乗っている私なのだが、では上の2つのどちらがその要因なのだろうか。明らかに後者なのだ。体験に来られた親御様に「なぜうちに来られたのですか?」と問うと「他のところとは違ったから」と答えていただいたことがあった。「他のところより良さそうだったから」ではないのだ。それはとても喜ばしいことである、他の国語塾との決定的な違いは、私が進学塾で働いた経験がないということである。開校当初、何の実績もない志高塾を選んでくださったうちのそれなりの方は、塾っぽくないところを気に入ってくださったはずである。12年目になった今もその部分が色あせていないということなのだろう。我々と彼らの相違点は、受験に対するスタンスである。受験の結果には相当こだわっているのだが、あくまでも2の次である。将来役立つ力をつけることが何よりも大事なのだ。話を戻すと、別の親御様は「HPを見ると他の作文教室の方が楽しそうに見えたので、そちらに連れて行くと子供がそっちを選ぶのは間違いないから、こちらに先に来た」と話されていた。体験授業終了後、その場で入塾を決めていただいた。見かけ上の楽しさなんてどうでもいいから、HPもそのように作っていない。そんなことより、厳しさと温かさを持ち合わせた存在でありたい。我々が実践していることが伝わるようにHPは作ったつもりである。それが何となく伝わったのが嬉しかった。
 「今いる生徒を大切にする」というお決まりのフレーズ。大切にするとは、質の高い授業を提供することである。このことについて考えるとき、「そもそも質の高い授業とは何か?」というところに行き着く。「それって何だろう?」と分からないまま「きっと考え続けることが大事なんだな」となって、その時は幕を閉じる。そして、しばらくすると幕が上がる。演劇に例えるなら、同じ内容を演じ続けているようで、少しずつ少しずつ、本当に少しずつではあるが深みを増しているはずなのだ。

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