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2020.02.18Vol.435 採用の極意

 この春に志高塾を去って行く3人と飲みに行った。送別会は別途行うのだが、偶然その3人が同じ日に出勤していたので声を掛けた。単に私が名残惜しさを感じているだけなのかもしれない。2人は大学生なので卒業のタイミングで、もう1人は大学生の頃から、大学院を経て社会に出てからも副業として8年に渡って働き続けてくれた。調べてみたら、3人の合計の勤務時間は4,000時間に上る。
 お酒が運ばれてくるのを待っている間「最近、良い人が採れた」という話をしたら、最も付き合いの長い彼が「松蔭さん、お言葉ですけど毎回それ言ってますよ」と突っ込まれてしまった。指摘されて初めて気づいたので、一瞬それについて考えて「でもええことやん。『最近採用した人、大丈夫かなぁ。心配。』じゃないわけやから」と返した。
 ブログを読んでくださっている方に、日頃の感謝を込めて特別にただで教えちゃいます。その極意はすばり、「良い人がいれば採る。そうでなければ採らない」。
 もうすぐ社員が2人増えて5人になる。私を除いての話である。一人は新卒、もう一人は中途である。先の大学生2人が働き始めた頃というのは、社員はゼロで、私を含めて講師自体が10人弱しかいなかった。その間、豊中校を出して、今春高槻校を出す予定であったということも関係しているが、今では40人弱にまでなった。10年以上前に何かの本で、経営においては3という数字がキーになる、というのを読んだ。3人、30人、300人。詳しい内容は覚えていないが、30人までは自分一人でどうにか意思伝達ができる、ということだったような気がする。
 話を戻す。新卒の女の子に内定を出す際、「我々に余裕があるわけではありません。申し訳ないですが、2か月間ぐらいアルバイトとして働いてもらい、我々の方が大丈夫だ、となれば、また、『ここで働きたい』となれば社員として採用、というようにしてもらえないでしょうか?もちろん、途中で『ここをもっとこうして欲しい』という部分があれば伝えますし、逆に疑問などがあればぶつけてください」という提案をした。それゆえ、正確には「内定(仮)」ということである。ちなみに、1つ約束したことがある。それは、誰かと天秤にかけることは絶対にしない、ということだ。要は、「あなたが優秀かどうかで判断します」ということである。そして、この1か月間の働きを見て、4月からお願いします、と伝えた。そこにもう1人、期せずして中途採用に対する応募があった。その彼については、面接のその場で採用を伝えた。本人にも、1年後に高槻校を出すことを含め、今後の展望を説明して、「私は、借金をしてでもあなたを採用する」という話をした。このことをあるお母様に話したら「またまたぁ、余裕ですよね」と返されたのだが、余裕なんてこれっぽっちもない。2人の人件費だけで売り上げの10%以上を占めることになるからだ。2人がいなくても時間割は回る。この「時間割が回る」という表現は好きではない。一般的には「質の高い授業を提供できる」ではなく、「講師の人数の条件(我々の場合で言えば、生徒2人に講師1人)を満たしている」という消極的な意味で使われるからだ。ちなみに、先週は、水、木で1人ずつ、今週は今日と明日で1人ずつそれぞれ体調不良で講師が休みになったが、他の講師に臨時で出勤してもらうことはない。その4日間とも元々講師に余裕があったということである。
 ただ、その余裕にも注意が必要である。その分生徒を手厚く見ることにつながるようにする必要がある。たとえば、3人でやれていたことを4人でやる、では、それこそ余分な人件費、ということになる。そのゆるみが伝播すると、その先でもっと大きなマイナス要因になる。特に社員が増えたことでできた余裕は、テキストの充実に費やす。また、これで来春の高槻校は九分九厘確定なので、3校になっても、もっと言えば、4校、5校となっても質を落とさないのはもちろんのこと、私がいつも言うところの、少しずつでも質を上げて行けるようにするための体制づくりを1年かけて行う。
 上のことに加えて「将来、うちで(社員として)働きませんか」と軽く声を掛けている方がいる。今後話を詰めることになるので、現時点ではどうなるかまったく分からない。訳あって、今すぐにではないものの、その方は半年後、1年後に転職を考えておられる。現在、教育関係のお仕事をされているのだが、仕事の内容に満足をされていない。上のものに照らせば、4人でぎりぎり回っていた、もしくはそれですら回っていなかったのに、退職者が出ると、補充をせずに3人にその仕事をやらせているのだ。その状況で、どうやって生徒のことを考えてあげられるのだろうか。
 「良い人がいれば採る。そうでなければ採らない」。私にとってはすごく当たり前のことである。誰かの役に立つことよりも、数字を優先させるから打ち手を誤る。最高のタイミングで、最良の人が現れるのであれば、誰も苦労はしない。2つが揃わないのであれば、どちらかを取るしかない。答えを出すのは簡単である。

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