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2018.01.23Vol.335 ああいう風になりたいんだけど

 一生懸命自分を大きく見せようと肩に思い切り力を入れて、でも、そう思われるのは嫌で必死に自然体ですよ、というのを装っている自分がどこかにいる。昔に比べてその傾向は少しぐらい和らいではいるのだろうが。少し大人になかったからなのか、現実を突きつけられてそれなりの器に収まることを受け入れたからなのか、よく分かっていない。気張っている自分も自分らしいとどこかでそのことを評価している自分もいる。男心もそれなりに複雑だ。伊集院静の本を読むと、格の違いをまざまざと見せつけられ、ある種気持ちがいい。
 数年前に、内田樹の本をある期間でまとめて10冊以上読んだ。今回『日本の覚醒のために』という書籍を手に取った。久々であったからなのであろう、初めはあまりしっくりと来なかったのだが、100ページぐらい読むとのめりこんでいった。まだ読んではいないのだが、その中で紹介されていた伊丹十三の『ヨーロッパ退屈日記』を購入した。私は2, 3冊の本を並行して読むのだが、現在読みかけのものに糸井重里の『インターネット的』がある。これも内田樹の本の中で取り上げられていたから買ったような気がしていたが、そうでない気もしてきた。きっかけはどうであれ、「なるほど」となることばかりが書かれている。昔、テレビに出ていた頃のイメージは良くなかったのだが、思い返してみると、彼が巨人ファンだから、というのがその唯一の原因であることに気づいた。伊集院静同様、かっこいいのだ。1冊の本の中で、あまりにも「ふむふむ」となることが多いので、今回の文章はその中から抜粋したものを列挙するだけで終わってもいいか、と考えていたが、ここまで少しだけ文章を書いてみた。前置きが長くなったが、紹介させていただく。

 もうひとつ、大事にしたい原則は、”わからないことは言うな”ということです。
 わからないんだけれど、言うと偉そうなこと、わからないなりに言ったら正しそうなこと、という発言は、ついやりたくなるわけです。もう、無意識でしたと言い訳したいくらいにスラスラと出てしまう。それは、とてもイケナイことだと思っているのですが、ときどきチェックしないとやらかしてしまいます。「こういうむだ遣いのつけは、必ず国民に回ってくるわけですから、しっかり監視していきたいですね」とか、ほんとかいってなことを、平気でいうもんなぁ、みんな。
(中略)
 いくらでも書けるし、まったく内容がない。このあたりの方向も困るわけです。そのへんのバランスが難しい。こういう、うまいのうまくないのの前の段階で、『ほぼ日』なりのスタイルを共有できるようになるまでには、その教育的なコストは、ものすごくかかります。マニュアル化して、その小冊子を渡しても、それでできるというものではないし。労を惜しまずに話し合っていくことしか方法はなさそうです。

 これまでにも本からの引用は行ってきたが、大抵は1冊に2, 3箇所そういうのがあればいい方で、少ないからわざわざ書き出す必要もなく頭にページ数を留めておけばそれで済んだ。この本はあちこちにそういうものが転がっている。上で、私は一部分だけを抜いてきたが、目をつぶってランダムに5ページぐらい開いたら、少なくとも1つはそのまま使えるだろう。
 その中で、なぜここを選んだのか。(中略)以前が、意見作文をする際に、生徒たちに伝えていることだからである。志高塾の場合は「わからないことは言うな」ではなく「やらないことは言うな」である。「これからは~をしてみようと思う」と作文で書いたら、それを実践しなければ意味がない。何の意味がないかと言うと、作文をする意味がないのである。とにかく、実生活に生きてこそ作文なのだ。どうでもいいことを書いて、コンクールで賞をもらったところで、それはその後に生きないのだから。
 そして(中略)以後は、月間報告と関係しているから。そこで糸井重里は社員教育に関することを述べている。「教育的なコスト」というのは金銭的なものだけではなく時間的なものも含まれている。マニュアルがあれば、ある程度均一なものを提供できる。でも、逆に言うと、その手段を選んだ瞬間ある程度以上になる可能性は消える。だから、時間をかけて、各人が持っている良さが出るようにしなければならないのだ。
 伊集院静や糸井重里を見ていると、圧倒的な差を感じさせられる。しかし希望をまだ捨てていない。実は、彼らも今の私の年齢の頃にはそこまでにはなっておらず、その後に急激に成長したのではなかろうか、と思い込むことにした。
生徒のみんな、俺はこれから成長するはずだから、もう少し待っていてくれ!
それがいつかは約束できないけど。

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