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2020.03.03Vol.437 コロナについてあれこれと

 ようやくHP上で対応策を示した。これまで、警報が出たときは親御様の判断にゆだねてきた。「こちらの責任ではございません」というためではない。学校が休みになると「(家にいられても困るので)今日は何時から教室が開きますか。自習に行かせたいのですが」という連絡が何件かあるからだ。休ませたい親御様より来させたい親御様の方が多い。休みを選ばれた場合、その分の振替は無期限で取る。
 親御様が納得の行く選択肢を提示することこそが大事である。「これで行こう」となったのが昨日の朝である。それが「もしお子様への感染が心配な場合は、1か月単位(4回分)で休塾扱いとさせていただきます。もちろん、その間の授業料はいただきません」である。
 あまりにもたくさん報道されるので、自然といろいろ考える。誰かの受け売りではなく、私自身が考えついた(もちろん、誰かが同じようなことを言っている可能性はある)ことが2つある。
 1つ目は、「コロナウィルスへの対策が世界的に後手に回ったこと」に関して。感染者数の増加ではなく、別の切り口から考えてみた。WHOが”COVID-19”という名称を発表してから2, 3日は日本のマスメディアもそれを使用していたものの、すぐに「新型コロナウィルス」に戻った。海外メディアも「新型」に当たる言葉がないだけで”coronavirus”が使われている。その事実が「コロナウィルス」という言葉が世界的に広く浸透するまでの長きに渡り手が打たれなかったことを表しているのではないか、となり、「これは中々説得力がある」と一人で納得していた。
 もう1つが「中国の経済発展」について。2002年のSARSと感染力や致死率などが比較される。SARSは思っていた以上に早く終息したのだが、それは感染力が弱かったからではない、というのが医療に詳しくない私が大して調べもせずに自信満々に出した結論だ。2002年の秋、つまり、SARSが流行する直前に、私は上海を訪れた。それが初めての中国旅行で、未だその1回きりである。多くの高層ビルが建設中である一方、車がそれなりのスピードで走っている道路(あれは高速道路であったのであろうか)を、大量の荷物を載せた大きなリヤカーを引きながら自転車がふらふらと走っているのを見て衝撃を受けた。1台だけの話ではない。経済成長の著しかった沿岸部の上海ですらそのような状態だったのだ。2010年にGDPで世界2位となり、2015年には「爆買い」が流行語大賞になった。しかし、今回のことが、世界の中心に中国が位置している、ということを最も強く感じた出来事である。武漢市の人口は1000万を超えているが、中国の中では10位前後である。交通の要所ではあるが、内陸に位置していることに変わりはない。武漢を含め、多くの中国の都市が世界と直接つながっていて、かつその結びつきが強くなっている、ということが2002年との大きな違いである、というのが私の見立てだ。先に述べた通り、これは単なる私の思いつきに過ぎない。
 この文章で私が何を伝えたいのかがピンとこないかもしれない。きっと私はこういう仕事をしていなくても、このように文章を書かなくてもそれなりに社会の出来事について考えたのかもしれないが、子供たちに作文を教えていることで「もっと考えないと」という力が働く。世の中のことについて最低限の知識を持ち合わせていなければならないがそれだけでは不十分で、独自の視点で考察しようと試みることが大事なのだ。結果的にはこれといったアイデアが浮かばなくても、それによって考える力が鍛えられ、添削をするときに、生徒の思考を刺激するような問いかけができるようになるのだ。
 冒頭の話に戻す。他の批判をすることが目的ではないが、教室で授業をせずに親がプリントを取りに行ってそれを家でやって提出する、webでの授業に切り替える、などというのは、提供するものの価値が下がっている。それにもかかわらず授業料は同じ、というのは適切な対策とは言えない。もちろん、規模の大小によってできることも変わってくる。我々のように小規模なところであれば、こまめな対応ができる。そうは言っても、Aさんは1回分、Bさんは2回分授業料を差し引く、ではさすがに手間がかかるし、間違える可能性も高い。それで4回分とした。医療関係の仕事をされている親御様は少なくないのだが、首相が一斉休校の要請をして以降、「危険なので休ませます」という連絡はその方たちからは現時点でいただいていない。少々時間は掛ったが、悪くない対策を提示できたと感じている。

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