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【卒業講師】石束匠 (いしづか たくみ)

【卒業講師】石束匠 (いしづか たくみ)

大阪市立咲くやこの花高等学校卒業
神戸大学法学部卒業
勤務期間;大学2年生~大学4年生(約3年)

2026.07.06

経験を顧み、思考を深める

「作文」というと、読み手(先生等、課題の出題者)が喜びそうな、きれいごとを書かなければならないと思われるかもしれません。しかし、志高塾での作文はそんな薄っぺらなものではありません。最終的にきれいにまとまらなかったとしても、課題を自分自身に引き付けて考え、過去の経験を掘り起こす。そのプロセスこそ、新しい自分に気づくことができる最大の成果なのではないでしょうか。

意見作文

※卒業講師には、現役生徒の参考になるよう教室で扱っている意見作文のテーマの中から1つを選択し、作文を寄稿してもらっています。

選択テーマ:学校の友だち、習い事先の友だち、近所の友だち、引っ越しで離れ離れになった友だちなど、色々な場所で出会った友だちがいると思います。また、長く共に過ごしたペットや、ずっと使い続けていたモノも「友だち」のような存在と言えるかもしれません。あなたにとっての友だちを思い浮かべ、それにまつわるエピソードを教えてください。

幼馴染は大人になってからはもう作れない。このテーマで作文するにあたって、そのありがたさを再認識することができた。

小学4年生のころ、リコーダーを吹くのが好きだったことから親に勧められて、地域のブラスバンドに所属することになった。毎週日曜日、朝から昼まで、本番前などはお弁当を持って夕方まで、金管楽器の合奏練習に取り組んだ。うまくも吹けず、仲間ともなじめず、最初のころはすごく嫌だった。親に、最低でも1年は続けるように説得され、仕方なく通っていた。しかし、その境がいつであったか明確には思い出せないのだが、次第に楽しくなり、中学生になった頃には、ブラスバンドが学校よりも自分らしく活動できる場所になっていた。週末が待ち遠しかったのを今でも覚えている。

そのブラスバンドを卒団して15年近く経った今も、特に仲の良かった数人とは、定期的に予定を合わせて交流している。私たちは、それぞれ全く違った人生を歩んでいる。しかし、顔を合わせればあの頃の空気感を思い出す。誰かが、一緒に合奏した曲のフレーズを口ずさむと、各々が自分のパートを歌い始める。心だけあの頃にタイムスリップしたみたいだ。自身のアイデンティティを形成していく最中である少年時代を共通の目標(合奏の完成度を高めること)をもって過ごした仲間がいるということは、かけがえのない私の財産となっている。

現在、私は社会人のアマチュア吹奏楽団に所属している。今でも音楽を続けているのは、幼いころに経験したあの音楽の楽しさが忘れられないからだと思っている。幸いにも、とてもいい仲間に恵まれ、練習終わりには必ずと言っていいほど飲みにいっている。地域のブラスバンドは中学生までだったが、社会人バンドには明確な卒業がない。数十年後、まだ顔を合わせている仲間はいるだろうか。音楽がつなげる人の輪はどこまでも続き、終わりを知らない。

 

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