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2018.03.13Vol.342 あれは一体何なんだろう(採用編)

 “採用編”としたものの、それ以外が現時点で頭の中にある訳ではない。「あれは一体何なんだろう」だけでは、あまりにもよく分からないので少し具体的にしたまでである。
 この時期になると、塾講師専門の採用会社からメールが飛んでくる。「春期講習に向けて先生を補充しませんか」という内容である。それを見て「何なんだろう」となる。勝手に送られてきているわけではなく、以前に我々が登録したからである。実際にそのサイトから応募してきてくれた方たちとお会いし、面接もさせていただいた。そのうちの何人かはいくつかの大手塾で働いた経験があり、履歴書には実績として「〇〇中学~名合格」などというのが羅列されていたりする。もし、それに価値があるのであれば、わざわざ我々のような小さなところに移ってくる必要はない。元々いたところで昇進していけばいいのだ。待遇はそちらの方がいいに決まっているのだから。意地悪な言い方をしてしまった。別に、特定の個人を攻撃する意図があるわけではない。結局は、置き換え可能なのだ。Aさんが辞めれば、じゃあBさんで、となる。「おまえは、何を根拠にそんなことを言っているのか」と問われればどう答えるか。「だから、こんな直前に採用を促すメールが飛んでくるんですよ」で終わりである。どうやって1ヶ月以内に、それなりの価値を提供できる講師を育てることができるのか。志高塾では、まず研修として20コマを課している。1回の勤務につき基本的に2コマ(1コマ90分)である。週に2回出勤してもそれだけで5週間はかかる。その後、ある程度任せられるようになるまでに3ヶ月から半年は要する。少なくともの話である。
 春期講習で失敗するのならまだいい。たとえ、受験に臨む年であっても「あれはいい勉強になった。もう同じ轍は踏まない」とそこから学びを得られたのであれば、それはその後にプラスに働くからだ。容易に想像していただけるであろうが、受験直前にはもっとこのようなメールが届く。「書き入れ時ですよ。機会損失をしないようにしましょう」といったような内容のものが。一方で、親は「最後にケチって結果が出なければこれまでの苦労が水の泡。えーいっ」となる。少々言葉は過ぎるが、気をつけなければガラクタをありがたがって高値で買うことになってしまうのだ。
 そう言えば、現在、『家庭教師のトライ』がおかしなテレビCMを流している。「2ヶ月間授業料無料」というものである。その何がだめなのか。CMの中で「自信があるから無料にする」と謳っているのだ。明らかにおかしい。自信があればお金をいただくべきである。それ以上の興味がないので調べていないが、半年以上契約した場合、などの条件が付けられているはずである。話が途中で終わっていたので、続きを。塾専門のサイトから採用した方はこれまで皆無である。面白くなかったからである。概してペーパー試験はよくでき、受験指導の経験もある。しかし、それらのプラス材料を打ち消してあまりあるぐらいに魅力がなかったのだ。改めて断るが、個人を攻撃するつもりはない。取替可能な仕事をしていれば、誰でもそのようになっていってしまう。
 上で、採用の裏側の話をした。それが分かっていれば、多くの親が「だまされた」と思わないで済むのではないか。教育業界に限らず物事には表と裏がある。「仕組みを知る」とは「裏側を知る」と同義なのかもしれない。
 ポーカーであれば、自分の持ち札が良くなくても、相手をうまく騙せれば勝つことができる。でも、私は誰もが見られるようにテーブルに置く。私のカードに興味がある方たちは敵でないのだから。ここまで採用の話をしてきたため誤解されないように断っておく。手持ちの札というのは私が雇っているそれぞれの講師のことを指しているわけではない。志高塾のカリキュラムや組織のトップとしての私の器の大きさ、小ささと表現した方が適切か。もちろん、そこには講師の質も含まれる。要は、「手持ちのカード」=「志高塾の資源」である。その資源が豊かであればあるほど、質の高い授業を提供できる。
 手持ちの札を少しずつ良くしながら、組織として個人として少しずつ自信を深め、親御様から少しずつ信頼を得ていく。私の理想とはこういうものである。

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