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2022.01.25Vol.528 プロセスエデュケーション ~一度目で正直~

 昨夏に一度、「プロセスエデュケーション」というタイトルでまったく別のことを書いた気がしていたので、「今度こそプロセスエデュケーション ~二度目の正直~」にする予定だった。だが、ざっと見返したところ確認できなかった。もしかすると、文章内で少しぐらいは触れたかもしれない。
 尾原和啓著『プロセスエコノミー ~あなたの物語が価値になる~』から取っている。帯には、完成品ではなく「制作過程」を売る!、とある。「今後は技術の発達により、類似品が市場に出回るまでの期間が短くなるので商品の差別化が難しくなる。それゆえ過程に重きが置かれるようになる」というようなことが述べられていた。いくつか具体例が挙げられていた中で腑に落ちたのはモーニング娘。に関するものだ。多数の応募者がオーディションによりふるいにかけられ、最終メンバーが決定するまでのプロセスを番組が長期に渡って追いかけているので、デビューするまでに既にファンになっているというものである。
 本を読んだときに、「あっ、これ、俺が志高塾でやろうとしてたことやん」となった。志高塾も15年目を終えようとしているので、どうやら私、随分と時代を先取りしていたみたいです。昔も今も、そしてこれからも「俺の物語に価値がある」などとはならないが、「少しでも価値あるものを提供できるような人になりたい」と思い続けながら、これまでやってきた。塾を探していて、志高塾のHPやブログに目を通し、「何か、子供をこの塾に通わせてみたい」と思っていただけのなら、それはとても嬉しいことである。うまく説明はできないけど、きっと良さそう、というのが「何か」の正体だ。合格実績ではなく、我々がやろうとしていることに共感をしていただく。それこそ「プロセスエデュケーション」であり、また、単なる受験結果だけではなく、彼らの成長過程に関わり、将来に役立つ力をつけてあげる。そのような意味においても「プロセスエデュケーション」であると言える。
 半年ほどうつらうつらしていたテーマが目を覚ましたのは、桝太一アナウンサーが退社して大学の研究員に転身する、というニュースに触れたからだ。フリーでアナウンサーを続けるので、どれほど研究にエネルギーを注ぐのかは定かではない。「beforeとafterの間」にも登壇が確定している、灘から東大理Ⅲに進んだ元生徒のことを親御様に話すことは少なくない。私が合格させました、という作り話をするわけではない。中学受験対策はしたが、志高塾に通っていなくても間違いなく灘には合格したし、中高の6年間は一度たりとも読解問題を教えたことは無いので大学受験の結果には全く寄与していない。私がやるべきことは、彼の人間的な部分での成長をより促すことだけであった。何ができたか、どこまでできたかは分からないのだが、相当なエネルギーを注ぎ込んだと胸を張って言える。彼が中1の頃の2012年1月のデータを調べてみると、彼を含めて中高生は8人だけで、中1にいたっては彼1人であった。10年後の現在、2022年1月の実績では西宮北口校だけでそれぞれ43人と11人になっている。あの頃、中高生を教えたい、という思いは強かったものの、その機会を中々与えてもらえなかった。今いる生徒たちに志高塾に通って良かった、と将来思ってもらえるように俺がどうにかしてやる、とその分余計に意気込んでいた。その8人はほとんど私が教えていたはずである。力んでいるだけではダメなので、何をするのが良いのかと頭を悩ませた。彼にやったことの1つに、どの学部でどのようなことが学べるかということの理解を深めさせよう、というのがあった。高1の段階で彼が医学部を目指すことは何となく分かっていたのだが、偏差値が高いからではなく、数ある仕事の中で一番やりがいがありそうだから、という理由で選んで欲しいというのがあった。だから、理系だけでは無く文系に目を向けさせたり、理系の中でも医学部以外で何かできるかというのを紹介したりしていた。その一環として、『理系アナ桝太一の 生物部な毎日』という本を勧めた。桝氏は東大の理Ⅱ出身で、本の中で大学時代のアサリの研究について語っていた。それを受けて、「僕は内にこもって研究するよりかは、彼のようにフィールドワークをする方が向いてるんですよね」という感想を漏らしていたことを鮮明に記憶している。そういうことがあったので、研究再開というニュースがすごく響いた。
 この1年間、中高生向けの既存の教材をマイナーチェンジしてきた。中学受験がひと段落した今、さらなる充実を図るために新たな教材づくりに着手し始めた。ここ数年は十分すぎるほどのチャンスをいただけている。「プロセスエデュケーション」の真価を発揮するときである。

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