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2022.02.22Vol.532 自他

 平野歩夢の決勝の2、3本目の滑りは見たが、北京オリンピック全体としてはニュースなどで流れるハイライトも含めて合計で30分も見ていないのではないだろうか。あくまでも感覚的な話なので、実際には1時間ぐらいに上るのかもしれない。スポーツ観戦は大好きなのだが、時差がほとんどないことが逆にあだとなったのかもしれない。気が付いたときには閉会式も終わっていた。ワリエワの演技は、ショートもフリーも1秒たりとも目にしていない。記事はいくつか読んだので、その感想から。
 まず、服薬している祖父のグラスに口を付けたのが原因ということに関して。組織的なドーピングが問題となり、平昌オリンピック以降「ロシアオリンピック委員会」というよく分からない名称(低学年の子にこれを説明して理解させるのは難しい気がする)で出場させられていることを考えると、「本来であれば、他の国以上にコーチは注意を払わせるわな」となる。確か、オリンピックに出場した水泳選手だったような気がするが、各国の選手が集まるような場では、一度キャップを開けて肌身から離したペットボトルの飲料は口にしない、とコメントしていたことを思い出した。その間に禁止薬物を混入される可能性があるからだ。日本の選手ですらそうなのだ。こういうことに関しては、「絶対嘘やん」などと感情的になること自体は問題ではないが、それだけで終わらせず、どこがどう論理的におかしいかを考える癖を付けた方が良い。それゆえ、意見作文のアイデア出しのためのやり取りや添削の際には、いろいろな角度から物事を考えられるようになるための働きかけを心掛けている。そのために、日頃から少しでも様々な情報を入れて、それを自分なりに消化する、ということを繰り返している。
 そして、もう1つがコーチの問題。選手の将来など一顧だにせず、ただただ目の前の結果だけを追い求めさせる姿から、中学受験に過剰に熱心な母親を思い出した。数週間前に体験授業に来られた5年生の男の子のお母様に、「あの学校に通わせている方としては珍しく教育熱心ではないのですね」と何とはなしに発言したところ、「教育熱心でないわけではないです」という言葉をいただいた。おっしゃる通りであった。きちんとした信念をお持ちであった。それをテーマに、おそらく10年ほど前に文章を書いたことがあったので、前回同様に過去のものを探ったが今回は発見できなかった。その中で次のようなことを述べた。

志高塾の親御様に「教育熱心」という言葉はそぐわない気がする。「子育て熱心」こそがぴったりである。

本来、教育熱心はネガティブな言葉ではないのだが、「幼いうちからとにかくいろいろな勉強させていること」を指すことも少なくないので、当時の私はそれと区別したかったのだ。未だにそのネーミングを気に入っているにも関わらず、私は上のような失言をしてしまった。なお、「教育熱心」における教育とは勉強のことだけを指している。ピアノや水泳を習わせていても、それすらも勉強のためなのだ。東大に行った多くの子が幼少期にピアノを習っていた、中学受験は体力勝負と言われるのでそれには水泳が適している、などといった感じで。そして、3年生ぐらいになると勉強時間が取れなくなるという理由で早々にやめさせてしまう。多段式ロケットで言うところの、燃焼済みの切り離し部分のような役割なのだろうが、そんな表面を撫でたようなレベルのものが大した推進力を生むはずがない。それに対して、「子育て熱心」とは、もっとロングスパンで人間として大きく育てることを目的としている。勉強はそれなりのウェイトを占めているが、すべてではない。本当に優秀な子は勉強以外のこともできる、と言われたりするが、そのような可能性を秘めた子でも、親が「教育熱心」であれば、すべてのエネルギーを注いだはずの勉強すらもそれなりにできる子で終わってしまうはずである。
 「幼いうちから」や「いろいろ」が一概に悪いわけではないが、それらがセットになると受け身になる危険性が一気に高まる。中高生が理科(高校生であれば物理、化学など)や社会などの勉強方法(お勧めの塾を紹介してもらうことも含めて)を聞いてくることがある。「そんなもんぐらい、本屋さんに行って、良さそうなテキストを探して自分でやったら良いやん」と返す。小学生はさすがにある程度管理してあげる必要があるが、中高生であればそれぐらいどうにかできないといけないのだ。勉強に限らないが、何か問題を抱えたときに、まずは自分でどうにかしようとして、それでも無理な場合に他人の助けを借りる。その順番は非常に重要である。
 ちなみに志高塾で行っている作文指導。「これは、絶対に家ではできないな」と親御様に実感していただけないようであれば、我々が提供しているものに大した価値はない。

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