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2022.02.08Vol.530 決めておくことおかないこと

 ガソリン価格の高騰が問題となっている。それは田舎で生活する者に与えるインパクトの方が断然大きい。主な交通手段が車であることと都市部と比べて収入が少ないことが理由として挙げられる。2020年に厚生労働省が発表したデータによると1位の東京都の平均年収が595万2400円であるのに対して、最下位の青森県はその約6割に当たる366万7900円しかない。そこで最近よく耳にするのが「トリガー条項」という言葉。トリガー(trigger)とは引き金という意味であり、あらかじめ決められた一定条件を満たした際に発動される条項のことを指している。民主党政権時の2010年に、ガソリンの平均小売価格が3か月連続で160円を超えた場合はガソリン税の内25円分を減税すると決めた。しかし、東日本大震災の復興財源確保のために2011年に凍結され、現状その解除には法改正が必要となっている。この件に関して経緯などを詳しく調べていないので現実的ではないのかもしれないが、そもそも凍結自体を時限立法にすべきであった、というのが私の考え。たとえば、「(2011年の)5年後に凍結は解除されトリガー条項を再度有効にする」というようにしておけば良かったのだ。そう考えると、時限立法もトリガー条項の一種であることが分かる。
 ガソリンのトリガー条項の是非はさておき、そのような仕組みは実生活においても有効である。スマホの使い方において親子で購入前に決めている1日の使用時間の制限などは多くの場合守られない。スマホ中毒になってから話し合いを持ったところで時すでに遅しである。私であれば、1年間で3日破ったらキッズケータイにする、などと事前に決めておく。
何もそれはガソリンやスマホのようないつ訪れるか分からないものに限らない。例えば、学資保険。期待できる利率が低いことがデメリットして挙げられるが、私にとっては毎月決まった金額が引き落とされるというのが大きなメリットなのだ。要は、定期的にトリガーが引かれるようになっているということである。もし、余裕のある分だけをそっちに回そう、であれば、かなりの確率で「今月は厳しいからちょっとやめとこうかな」ということが繰り返されたはずだ。
 このように事前に決めておくことも大事なのだが、決めておかないことも同様に大事である。志高塾の教室展開を具体例として挙げる。開塾当初は、10年後に10教室などと考えていたが早々にその計画を捨て去った。それは、30歳までに結婚する、と決めるのと似たようなものである。いつ決めたかにもよるが、期限までに結婚するだけならそれほど難しくは無いのかもしれない。ただ、「10年後も一緒にいて楽しそうな人と」などと条件を付け加えれば、その難易度は一気に上がる。10年後も一緒にいて楽しそうな人が実際にそうなる可能性がどれぐらいあるのかは私のあずかり知らないところである。この場合、そういう人と出会える機会を増やすことを考えることよりも、出会えたときに興味を持ってもらえるように自分を磨いておく方がうまく行きそうである。何の話をしているのだか。
 閑話休題。教室展開で言えば、期限は決めていないがどこに出すかは大体決めている。3つ目は高槻か茨木のどちらかであったし、4つ目は京都、その後は関西以外のどこか。そして、いつか福岡に出したい。単に出張に行きたいだけなのだが。出すタイミングに関しては、既存の各教室の教育の質が一定以上に達したら、である。これだと随分と抽象的だが、生徒の出入りが激しくない状況で各教室の生徒の人数が60人ぐらいで安定するというのが今のところの目安である。西宮北口校は教室が広いので90人がそのラインとなる。
 トリガー条項のようなものがなぜ必要かと言えば、それなりに追い込まれた状況では的確な判断をすることは難しいからだ。それゆえ、冷静に考えられるときに予め決めておかないといけないのだ。私は、自身の意志が弱いことを知っているので、未来を予測した上で何をするかを決定し、かつ、それをきちんと履行する、つまり、凍結はしない、と心に決めることが少なくない。志高塾を始めてからの約15年間、悪くない程度には実践してきた。この1年は、私自身と志高塾が成長するためにも一段上を目指そうと考えている。これまでは、決めたことを頑なに守り抜くことを重要視していたが、そこに柔軟性を持たせたいのだ。その一環として、4月以降は週1回、豊中校に定期的に入る方向で目下調整中である。それもこれまではしないと決めていたことの1つである。
 話は変わるが、先日、中3の生徒から「教室でディベートをしたりしないのですか?」と尋ねられた。少なくとも5年以上前にそれについて考えてそのままになっていたので、実施する良いきっかけをもらえたような気がしている。

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